産学連携で子どもの循環器病予防を啓発
京都芸術大学、国立循環器病研究センター、そして明治安田総合研究所は、連携して「循環器病啓発マンガ制作プロジェクト」を立ち上げました。このプロジェクトは、子どもたちが心臓や血管の仕組み、そして循環器病の予防について学べる教材として、小学生向けのマンガを制作するものです。
循環器病の現状と子どもの予防意識の重要性
心臓や血管に関わる病気の総称である循環器病は、日本において多くの方の命に関わる重大な病気です。厚生労働省のデータによると、心疾患と脳血管疾患を合わせた循環器病は、日本人の死因のうち約20.2%を占め、がんに次ぐ規模とされています。
近年では、子どもの運動不足や生活習慣の乱れが将来の健康に影響を及ぼす可能性が指摘されており、子どものうちから循環器病に関する正しい知識を身につけ、日頃の生活の中で予防意識を持つことの重要性が高まっています。
マンガ制作プロジェクトのプロセス
このプロジェクトでは、国立循環器病研究センターからの依頼を受け、京都芸術大学でキャラクターデザインを学ぶ3名の学生が小学生向けのマンガ制作に取り組んでいます。医学的な知識をそのまま伝えるのではなく、キャラクターや物語、映像表現を通じて、身体の仕組みを「みえるもの」「感じられるもの」として届けることを目指しています。

コンテンツ制作は以下のプロセスで進められました。
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循環器病について学ぶ: 学生たちはまず、国立循環器病研究センターの医師による講義を受講し、循環器病に関する基礎知識や現状について理解を深めました。
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キャラクターデザイン: マンガの世界観設定と並行して、主要キャラクターがデザインされました。
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ストーリー設定: 日本で罹患者の多い心臓の病気を調査した上でストーリーが設定されました。主人公が体内の「異変の原因」を退治しながら進むゲーム風のストーリーが採用されています。
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プロット作成: 国立循環器病研究センターからのフィードバックを経て、ストーリーの骨子が決定されました。専門的な内容にも踏み込み、より詳しく、より正確に学べる内容へと改良されています。
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ネーム作成: 学生たちが国立循環器病研究センターへ、コマ割りやセリフを描いたネームをプレゼンしました。ネーム決定後、京都芸術大学の卒業生であるプロのマンガ家が作画・仕上げを行います。
社会への還元と今後の展望
本プロジェクトで制作されたコンテンツは、小学校の副教材や医療機関の啓発イベントなどで活用されることが想定されています。専門機関の正確な医学的知見と学生の柔軟な発想を組み合わせることで、既存の教材を補う親しみやすい新たな啓発ツールとなることを目指しています。これにより、教育現場や地域社会における健康教育を支援し、子どもの段階からの予防意識の定着と健康増進に貢献していく考えです。

関連機関について
国立循環器病研究センター(NCVC)
国立循環器病研究センターは、循環器病の究明と克服を目指し、1977年に設立された日本の国立高度専門医療研究センターです。心臓疾患および脳血管疾患の診療・研究の専門家が企業と連携し、治療成績の向上、新たな医療技術の開発、高度な専門医療人材の育成に取り組んでいます。
株式会社明治安田総合研究所
明治安田総合研究所は、明治安田生命保険相互会社のシンクタンクとして、ヘルスケア領域、先端テクノロジー・ビッグデータ等のデジタル領域、経済領域、生活設計、社会保障等の各分野における基礎調査を行っています。多様な専門家と協働し、質の高い調査研究成果を発信することで、顧客の価値創造に貢献しています。
京都芸術大学(KUA)
京都芸術大学は、通学課程と通信教育課程を合わせ約24,000名が在籍する国内最大規模の総合芸術大学です。アート・デザインの力で現実社会の課題解決に取り組む実践的な教育を展開しており、企業や自治体と連携した「社会実装プロジェクト」を年間100件以上実施しています。
詳しくは医療機関・専門家にご相談ください。
参考資料
- 厚生労働省「令和7年(2025年)人口動態統計月報年計(概数)」: https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/geppo/nengai25/dl/gaikyouR7.pdf