予防・検診

脇やお尻のしこり、約7割が「粉瘤・ニキビ」と誤解か 化膿性汗腺炎の早期受診が重要な理由

繰り返すしこり、約7割が「粉瘤・ニキビ」と誤解する実態

脇やお尻、股間、乳房下などに繰り返しできるしこりや膿について、その原因を「粉瘤(ふんりゅう)」や「ニキビ」と誤解している人が約7割に上ることが、2026年8月3日から12日にかけて実施された意識調査で明らかになりました。一方で、「化膿性汗腺炎(かのうせいかんせんえん)」という疾患名を正しく認識している人はわずか12.3%にとどまっています。

この調査は、過去3年以内に脇・お尻・股間・乳房下のいずれかに繰り返しできるしこりや膿を経験した全国の20〜50代の男女300名を対象に行われました。

受診の遅れと症状悪化のリスク

調査結果によると、症状が初めて現れてから医療機関を受診するまでの期間は平均2.8年でした。1年以上受診しなかった人は62.7%に達し、「自然に治ると思った」「市販薬で対処できると思った」という回答が多く見られました。

初発症状から受診までの期間

受診が遅れた結果、約75%の人が何らかの症状悪化を経験しています。特に、皮下にトンネル状の管腔である「瘻孔(ろうこう)」が形成されたケースが23.3%に上りました。瘻孔が形成されると、外用薬や抗菌薬だけでは治療が困難になり、より広範囲の外科手術が必要になることがあります。

受診遅れによる症状変化

化膿性汗腺炎とは?粉瘤やニキビとの違い

化膿性汗腺炎

化膿性汗腺炎は、脇の下・お尻・股間・乳房下など、アポクリン汗腺が多い部位に繰り返し痛みを伴うしこりや膿瘍ができる慢性の炎症性皮膚疾患です。毛包(毛穴の奥の組織)の閉塞と破裂が原因で発症し、重症化すると皮下にトンネル状の瘻孔を形成することがあります。30代をピークに発症し、女性にやや多い傾向があります。

粉瘤

粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造物(嚢腫)ができ、その中に角質や皮脂が溜まる良性腫瘍です。体のどこにでもできる可能性があります。感染を起こさない限り痛みはなく、化膿性汗腺炎とは異なり同じ場所にできた1つの病変が徐々に大きくなるのが特徴です。

化膿性汗腺炎・粉瘤・ニキビの違い

比較項目 化膿性汗腺炎 粉瘤 ニキビ(毛嚢炎)
発症部位 脇・お尻・股間・乳房下など 全身どこでも 顔・背中・胸など
再発性 同じ領域に繰り返し発症 同じ場所が再発(摘出不完全時) 毛穴ごとに発症
しこりの数 複数できやすい 通常1個 複数できやすい
痛み 強い痛み・膿を伴う 感染時のみ痛い 軽度〜中等度
皮下トンネル 形成されることがある 感染時のみ痛い なし
保険治療 手術・生物学的製剤 手術 外用薬・内服薬

保険適用治療の認知度と早期治療のメリット

化膿性汗腺炎に対する保険適用治療の認知度は34.0%にとどまり、66.0%が「保険が使えることを知らなかった」または「すべて自費だと思っていた」と回答しています。

保険適用治療の認知度

しかし、化膿性汗腺炎の治療は、抗菌薬の内服・外用療法、生物学的製剤による薬物療法、病変部の外科的切除手術など、多くの治療法が保険適用で受けられます。2024年には生物学的製剤が保険収載され、治療の選択肢が広がっています。

早期に治療を受けた人の満足度は82.3%と高く、「痛みからの解放」「再発の不安が減った」といったポジティブな変化を実感していることが示されています。一方、3年以上放置後に治療を受けた群では、手術範囲が早期治療者の平均3.2倍に拡大していたという報告もあります。

治療後の生活変化

医師からのコメントと早期受診の重要性

皮膚外科医の髙桑康太医師は、「化膿性汗腺炎は適切な診断と治療により、多くの患者様が症状のコントロールを実現できる疾患です。繰り返すから仕方ないと諦める必要はありません」とコメントしています。

放置期間が長いほど瘻孔が複雑化し、手術範囲が拡大する傾向があるため、繰り返すしこりに気づいた段階での早期受診が重要であると指摘されています。

化膿性汗腺炎を疑うべき3つのサイン

  • 脇・お尻・股間・乳房下に同じような場所で繰り返しできるしこり

  • しこりが腫れて強い痛みを伴い、膿が出ることがある

  • 1つが治っても、数週間〜数ヶ月で近くに新しいしこりができる

保険適用で受けられる治療法

  • 抗菌薬の内服・外用療法(軽症例)

  • 生物学的製剤(アダリムマブ、セクキヌマブ)による薬物療法

  • 瘻孔を含む病変部の外科的切除手術

早期受診のメリット

  • 瘻孔形成前であれば薬物療法のみで管理できる可能性が高い

  • 手術が必要な場合も切除範囲を最小限に抑えられる

  • 傷跡が小さく、ダウンタイムも短縮される

放置のリスクと受診の目安

化膿性汗腺炎を放置すると、瘻孔の形成による手術範囲の拡大、慢性的な痛みと膿による日常生活への支障、精神的ストレスの増加などのリスクが考えられます。まれに、長期間経過した症例で皮膚がん(有棘細胞がん)の発生が報告されることもあります。

以下のような症状がある場合は、皮膚科または形成外科の医療機関へ相談することを推奨します。

  • 脇・お尻・股間に3回以上繰り返しできるしこりがある

  • しこりが腫れて強い痛みを伴い、膿が出ることがある

  • 1つ治っても近くに新しいしこりができる

  • 市販の薬を使っても改善しない、または一時的にしか良くならない

  • 過去に「粉瘤」や「おでき」と診断されたが、その後も同じ場所に繰り返している

医療機関情報

アイシークリニックは、皮膚外科医による正確な診断と日帰り手術に対応しており、30,000件以上の皮膚外科手術経験を持つ医師が監修しています。都内5院と大宮の計6拠点で診療を行っています。

診療予約は以下のリンクから行えます。

各院の詳細は以下のリンクをご確認ください。

【免責事項】
本記事はプレスリリースに基づいた情報提供を目的としています。化膿性汗腺炎の診断や治療については、必ず専門の医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。個人の症状や体質によって治療法や効果は異なります。

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