調査結果から見えた秋の肌荒れの実態
約7割が「夏の疲れ・夏バテ」を原因と認識
秋に顔の肌荒れやかゆみを経験した人に対し、その原因を尋ねたところ、68.3%が「夏の疲れ・夏バテによる肌ダメージ」と回答しました。また、「季節の変わり目による肌の乱れ」と回答した人も15.7%に上り、これらを合わせると84.0%が夏バテや季節の変わり目を原因と考えていることが明らかになりました。一方、「花粉やアレルギー」を原因として疑った人はわずか12.0%にとどまっています。

「花粉皮膚炎」を知っている人はわずか23.0%
「花粉皮膚炎」という疾患名を知っているかを尋ねたところ、「知っている(症状も理解している)」と回答した人は8.7%、「聞いたことはある(詳しく知らない)」と回答した人は14.3%で、合わせて23.0%という結果でした。77.0%の人が「知らない」と回答しており、花粉が皮膚にも影響を与えることの認知度が低いことが浮き彫りになりました。

秋花粉の飛散開始時期を知っている人は31.3%
秋の花粉(ブタクサなど)が8月下旬から飛散し始めることを知っていたかという設問に対しては、31.3%が「知っている」と回答しました。しかし、45.0%は「知らなかった(9月以降だと思っていた)」、23.7%は「秋に花粉が飛ぶこと自体知らなかった」と回答しており、約7割が秋花粉の飛散開始時期を正しく認識していないことが示されました。

約8割が皮膚科を受診せず自己対処
秋の顔の肌荒れやかゆみに対して、どのように対処したかを尋ねたところ、「市販の保湿剤・化粧水で対処」が42.3%と最も多く、「何もしなかった(自然に治るのを待った)」が24.7%、「市販のかゆみ止め・ステロイド軟膏を使用」が15.3%と続きました。皮膚科を受診した人は17.7%にとどまり、約8割が自己判断で対処していることが示されています。

約6割が2週間以上肌荒れが継続
秋の肌荒れやかゆみがどのくらいの期間続いたかを尋ねた結果、2週間以上症状が続いた人が58.7%に達しました。内訳は「2週間〜1ヶ月程度」が35.7%、「1ヶ月以上」が23.0%です。通常の乾燥や夏バテ肌であれば保湿で比較的短期間に改善することが多いですが、長期間続く場合はアレルギー性の原因が考えられる場合があります。

花粉皮膚炎とは
花粉皮膚炎とは、花粉が皮膚に直接付着することで引き起こされるアレルギー性の接触皮膚炎です。顔、首、まぶたなどの露出部に好発し、かゆみ、赤み、乾燥、細かい湿疹を特徴とします。スギやヒノキによる春の花粉症が有名ですが、ブタクサやヨモギなどの秋の花粉でも同様に発症する場合があります。
ブタクサ花粉とは、キク科ブタクサ属の植物から飛散する花粉で、日本では8月下旬から10月にかけて飛散のピークを迎えます。秋の花粉症の主要な原因の一つです。
アレルギー性接触皮膚炎とは、特定のアレルゲン(抗原)が皮膚に接触することで生じる遅延型アレルギー反応による皮膚炎です。初回接触で感作が成立し、再接触時に湿疹反応が出現するとされています。
花粉皮膚炎と夏バテ肌(乾燥肌)の違い
花粉皮膚炎と夏バテ肌(乾燥肌)には、いくつかの違いが見られます。以下の表は一般的な目安です。
| 比較項目 | 花粉皮膚炎 | 夏バテ肌(乾燥肌) |
|---|---|---|
| 発症時期 | 花粉飛散期(秋は8月下旬〜10月) | 季節を問わない |
| 症状が出やすい部位 | 顔・首・まぶたなど露出部 | 全身(特に手足・体幹) |
| かゆみの程度 | 強い(掻きむしることも) | 軽度〜中等度 |
| 目や鼻の症状 | 伴うことが多い | 伴わない |
| 外出後の悪化 | 顕著 | 関連性が低い |
| 保湿のみでの改善 | 困難(抗アレルギー治療が必要となる場合があります) | 改善しやすい |
皮膚科医からの解説
皮膚科医の髙桑康太医師は、8月下旬から10月にかけて顔のかゆみや肌荒れで来院する患者さんの中に、花粉皮膚炎の人が相当数含まれると述べています。今回の調査で約7割の人が「夏バテ肌」と誤認していることが判明したことは、臨床現場での実感とも一致するとのことです。
花粉皮膚炎は、花粉が皮膚バリア機能の低下した部位に付着し、アレルギー反応を引き起こすことで発症すると考えられています。特に顔、まぶた、首など衣服で覆われていない露出部に症状が出やすいのが特徴です。春の花粉シーズンに肌荒れを経験する方は、秋のブタクサ花粉でも同様の症状が出る可能性があります。
夏バテ肌や季節の変わり目による乾燥肌との違いとして、かゆみの強さと部位の特徴性が挙げられます。花粉皮膚炎では露出部に限局してかゆみが強く出ることが多く、目のかゆみやくしゃみなどの鼻・眼症状を伴うこともあります。また、外出後に症状が悪化する傾向があれば、花粉が原因である可能性が高まります。
治療としては、原因となる花粉への曝露を減らすことが基本です。外出時のマスクや眼鏡の着用、帰宅後の洗顔、花粉の付きにくい衣服の選択などが有効とされています。症状が出ている場合は、抗ヒスタミン薬の内服やステロイド外用薬による治療が必要となる場合があります。保湿剤だけでは改善が難しいケースが多いため、2週間以上症状が続く場合は皮膚科への受診が推奨されます。
今年の秋は特に残暑が厳しく、皮膚バリア機能が低下している方も多いと予想されます。肌のコンディションが悪い状態で花粉に曝露されると、より花粉皮膚炎を発症しやすくなる可能性があるため、基本的なスキンケアで肌バリアを整えることも予防として重要です。
花粉皮膚炎を疑うべきサイン
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顔・まぶた・首など露出部に限局したかゆみ・赤みがある
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目のかゆみ・くしゃみなどの花粉症症状を伴う
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外出後に症状が悪化する傾向がある
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保湿剤だけでは改善せず2週間以上症状が続く
花粉皮膚炎の予防・対策のポイント
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外出時はマスク・眼鏡・帽子で花粉の付着を防ぐ
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帰宅後すぐに洗顔し、花粉を洗い流す
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基本的なスキンケアで肌バリア機能を維持する
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症状が出たら早めに皮膚科を受診する
花粉皮膚炎を放置するリスク
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症状が慢性化し、色素沈着や肌の質感変化が残る可能性があります。
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掻きむしることで皮膚バリアがさらに低下し、二次的な細菌感染を起こすリスクがあります。
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適切な治療を受けないと毎年の花粉シーズンに症状が繰り返される悪循環に陥りやすくなります。
受診の目安
以下のような症状がある場合は、皮膚科への相談を検討しましょう。
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顔や首のかゆみ・赤みが2週間以上続く場合
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市販の保湿剤やかゆみ止めで改善しない場合
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目のかゆみ・くしゃみなど花粉症症状を伴う肌荒れの場合
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外出後に顔のかゆみが悪化する傾向がある場合
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掻きむしりで傷ができたり、ジュクジュクしている場合
長引く肌荒れには花粉皮膚炎が潜んでいる可能性があり、適切な時期に皮膚科を受診し、専門家のアドバイスを受けることが重要です。