予防・検診

機能性サプリメントの日本市場、2035年には286.9億米ドル規模へ拡大予測

市場規模と成長予測

日本の機能性サプリメント市場は、2025年時点で140.5億米ドル規模に達しており、2026年から2035年にかけて年平均成長率(CAGR)7.4%で拡大し、2035年には286.9億米ドルに達すると予測されています。CAGRとは、複数年にわたる成長率を年平均で示したもので、市場の持続的な成長を示す指標です。

この市場成長を支える主な要因として、高齢化の進展、病気の予防や健康維持への関心の高まり、健康寿命を延ばしたいという意識、個々の健康状態に合わせた栄養摂取(個別化栄養)、年齢や症状に応じた製品の普及、そして高品質な機能性成分や製剤技術の進歩が挙げられています。

製品カテゴリの多様化

製品別では、ビタミン・ミネラルが歴史的に約30%のシェアを占める最大のカテゴリーです。これらは日常的な栄養補給や免疫機能、骨、代謝など幅広い用途で利用され、多くの年齢層で継続的に摂取されやすいことが市場の基盤となっています。

一方で、市場は植物由来成分・ハーブ抽出物、プロバイオティクス・プレバイオティクス、タンパク質・アミノ酸、オメガ3・魚油・脂肪酸、特殊機能性成分など、多岐にわたる製品へと広がっています。これにより、単なる栄養補給だけでなく、腸内環境の改善、認知機能のサポート、心血管の健康維持、スポーツ時の栄養補給、関節の健康維持など、特定の健康目的に対応する製品が増加し、市場はより高度化していると考えられます。

剤形と流通チャネル

剤形では、錠剤が予測期間中に大きなシェアを占める見通しです。これは、持ち運びやすさ、保存性の高さ、摂取量の標準化が容易であること、そして多様な機能性成分を製品化しやすい点が強みとされています。カプセル、ソフトカプセル、粉末、グミ、液体、RTD(Ready-To-Drink)機能性飲料やバーなども、消費者の好みや摂取シーンに応じて需要を形成しています。

流通チャネルとしては、病院・クリニック内薬局、オンライン薬局、小売薬局、専門店などが挙げられます。機能性サプリメントは健康訴求が強いため、薬局や専門店の信頼性と、オンラインストアの利便性の両方が重要です。特にオンライン薬局やEC(電子商取引)は、パーソナライズされた製品、定期購入、ニッチな機能性成分などとの相性が良く、消費者が多様な製品を選びやすくなることで、市場の多様化を後押しすると考えられます。

主要な健康課題への対応とトレンド

免疫機能サポート

用途別では、免疫機能サポートが高成長を示し、市場を主導すると予測されています。これは、予防健康意識の高まりや慢性疾患への関心が背景にあります。例えば、日本の成人糖尿病患者数が890万人を超え、成人人口の8.1%を占めることが、健康維持製品への需要を説明する一因とされています。

心血管の健康

心血管の健康への関心も成長ドライバーとして強調されています。2021年のデータでは、日本の心血管疾患による死亡数が37万1,917人、年齢標準化発症率が人口10万人当たり424人とされています。また、高血圧や喫煙率の高さも指摘されており、心血管リスクへの認知拡大が機能性サプリメントの需要を押し上げると説明されています。オメガ3、ミネラル、植物由来成分などを含む心血管の健康カテゴリーは、高齢者市場と親和性が高いと考えられます。ただし、サプリメントは心血管疾患の標準治療の代替ではなく、健康維持・予防を目的とするものとして捉えることが重要です。

パーソナライズ栄養

パーソナライズ栄養も重要なトレンドです。個々の健康プロフィールに応じて成分や摂取量を調整するカスタムサプリメントプログラムの導入事例もあり、画一的な商品から個人データに基づいた製品への変化が示唆されています。今後は、サプリメント単体だけでなく、アプリや健康データ、定期購入サービスなどとの統合が進む可能性もあるでしょう。

年齢別サプリメント

年齢層別のサプリメントも大きな成長テーマです。特に日本では高齢者(Geriatrics)が重要で、心血管、認知、免疫、骨・関節、筋力維持など複数の健康課題を抱えることが多いため、複合的な機能性製品の需要が生まれやすい傾向にあります。アスリート向け、妊婦向け、小児向けなど、ライフステージに応じた需要が市場の細分化を進めています。

消化器・腸内環境の健康、認知機能・脳の健康

消化器・腸内環境の健康ではプロバイオティクス・プレバイオティクスが中心となり、腸内環境への関心が高まる中で、免疫や消化、日常的な健康維持を組み合わせた製品が期待されます。認知機能・脳の健康も高齢化と相性が良く、認知機能や集中力を意識する中高年層の増加に伴い、特殊機能性成分やオメガ3などを用いた製品の需要が拡大する可能性があります。

競争環境と今後の展望

市場の競争環境では、Herbalife、Amway、Abbott、Bayerなどが主要企業として挙げられていますが、日本の大手食品・健康食品メーカーも多数存在します。グローバルなサプリメント企業、栄養企業、機能性原料企業が混在する市場です。

日本の機能性サプリメント市場は、汎用的な栄養補給から、年齢、健康課題、生活習慣に合わせて機能を細分化する精密栄養型サプリメント市場へと発展していくと考えられています。健康維持や予防に関心のある方は、ご自身の健康状態や必要性に応じて、医療機関や専門家と相談の上、適切な製品を選択することが大切です。

本調査レポートの詳細は、株式会社マーケットリサーチセンターまでお問い合わせください。

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