夏休みの子どもの肌トラブル、8割超が経験
夏休みは、多くの子どもたちがプールや水遊びを楽しむ季節です。しかし、それに伴い「プールから帰ってきたら肌がカサカサになった」「ゴーグルの跡が赤くかぶれてしまった」といった肌トラブルの相談が増える傾向にあります。プールの消毒に使われる塩素は衛生管理に不可欠ですが、子どもの未熟な肌には刺激となることがあります。
医療法人社団鉄結会が運営するアイシークリニックは、夏休み期間中のプール利用に伴う子どもの肌トラブルの実態を把握するため、小学生以下の子どもを持つ保護者300名を対象にアンケート調査を実施しました。この調査結果と、皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験を持つ髙桑康太医師の専門的な見解をもとに、プール後の正しい肌ケアについて紹介します。
調査結果:子どものプール後肌トラブルの実態
82.7%の保護者が子どものプール後肌トラブルを経験
お子さまがプールを利用した後、肌トラブル(乾燥、かゆみ、赤み、湿疹など)を経験したことがあるかという設問に対し、「頻繁にある」「時々ある」「まれにある」を合わせると82.7%の保護者が経験していると回答しました。この結果は、プール後の肌ケアの重要性を示唆しています。

67.3%の子どもがゴーグルかぶれを経験
お子さまがゴーグルを使用した後、目の周りのかぶれや赤みを経験したことがあるかという設問では、ゴーグル使用者の約7割にあたる67.3%がかぶれを経験していることが分かりました。ゴーグルの素材選びや適切なフィッティングが重要であることがうかがえます。

シャワーのタイミングと保湿ケアの実施状況
推奨される「プール後5分以内」のシャワーを実施している家庭は、調査では「帰宅後すぐ(10分以内)」が31.3%、「帰宅後30分以内」が29.7%で、合わせて約6割でした。約4割の家庭では帰宅後30分を超えてからシャワーをしていることが判明しました。

また、入浴後は肌の水分が蒸発しやすく、5分以内の保湿が理想とされていますが、実施できている家庭は18.3%にとどまっています。約2割の家庭では保湿ケア自体を行っておらず、プール後の肌ケア習慣の啓発が必要であることが示されています。

肌トラブル時の対処法は市販薬が最多
ゴーグルかぶれや塩素による肌荒れが起きた場合の対処法としては、市販の塗り薬(保湿剤含む)で対処する家庭が35.0%と最も多く、皮膚科を受診する保護者は18.7%にとどまりました。軽度の症状であれば自然治癒も期待できますが、症状が悪化する場合や改善が見られない場合は、早めの皮膚科受診が重要です。

皮膚科医が解説するプール後の正しいスキンケア
アイシークリニックの髙桑康太医師は、「プール後の子どもの肌トラブルは、適切なアフターケアによって予防が期待できる」と述べています。塩素による肌荒れは「起きてから対処する」のではなく、「予防する」という意識が最も重要だとしています。
塩素が肌に与える影響
プールに使用される塩素は、感染症予防に欠かせないものですが、肌表面の皮脂膜を溶かし、角質層のタンパク質を変性させることで、皮膚バリア機能が一時的に低下することがあります。特に子どもの皮膚は成人と比較して角質層が薄く、皮脂分泌も少ないため、塩素の影響を受けやすい状態にあると言われています。
用語解説
-
塩素性皮膚炎: プールの消毒に使う塩素が肌に刺激を与えて起こる皮膚の炎症です。乾燥、かゆみ、赤み、湿疹などの症状が出ることがあり、特に皮膚が未熟な子どもに多いとされています。
-
皮膚バリア機能: 肌の最も外側にある角質層が持つ防御機能のことです。外部からの刺激や細菌の侵入を防ぎ、体内の水分が蒸発するのを抑える役割があります。子どもの肌は角質層が薄く、このバリア機能が未熟なため、塩素のような刺激物の影響を受けやすい傾向があります。
ゴーグルかぶれの原因と種類
ゴーグルによるかぶれは、主に2つのタイプに分類されます。
- 刺激性接触皮膚炎: ゴーグルの圧迫や摩擦、汗や塩素の残留による物理的・化学的刺激が原因です。
- アレルギー性接触皮膚炎: ゴーグルに使用されるゴムやシリコンの成分に対するアレルギー反応によるものです。この場合は、低アレルギー素材のゴーグルへの変更が必要になることがあります。
用語解説
- 接触皮膚炎(ゴーグルかぶれ): 特定の物質が皮膚に触れることで生じる炎症反応です。ゴーグルの場合、ゴムやシリコン素材、長時間の圧迫、汗や塩素の残留などが原因で、目の周りに赤みやかゆみを引き起こすことがあります。
プール後の正しいアフターケア5ステップ
プール後のケアで最も重要なのは、塩素を速やかに洗い流すことです。髙桑医師は以下の5ステップを推奨しています。
- プールから上がったらすぐに施設内のシャワーで全身を流す。
- 帰宅後は弱酸性の低刺激洗浄料で優しく洗う(ぬるま湯36〜38℃が適切)。
- タオルでこすらず、押さえるように水分を拭き取る。
- 入浴後5分以内にセラミドやヘパリン類似物質配合の保湿剤を塗布する。
- ゴーグル跡は特に念入りに保湿し、赤みがあれば冷やす。
プール前の予防策
プールに入る前に、ワセリンやウォータープルーフの保湿剤を全身に薄く塗布することで、塩素と肌の直接接触を軽減できることがあります。特にゴーグルが当たる目の周りや、乾燥しやすい手足には念入りに塗っておきましょう。また、ゴーグルは顔にフィットするサイズを選び、ベルトをきつく締めすぎないことも重要です。肌に合う低アレルギー素材(シリコンフリーなど)のゴーグルを選ぶことで、かぶれのリスクを減らせる可能性もあります。
皮膚科受診の目安と放置のリスク
皮膚科を受診すべきサイン
もし肌荒れやかぶれが生じた場合は、まず患部を清潔に保ち、保湿を十分に行うことが基本となります。以下のような症状が見られる場合は、皮膚科の受診を検討しましょう。
-
かゆみや赤みが2〜3日経っても改善しない
-
水ぶくれやジュクジュクした湿疹が出現している
-
掻きむしって傷ができている・広がっている
-
発熱や強い痛みを伴う
-
同じゴーグルを使用するたびにかぶれる(アレルギーの可能性)
放置のリスク
肌トラブルを放置すると、以下のようなリスクが考えられます。
-
塩素性皮膚炎が慢性的な乾燥肌や湿疹に移行する可能性
-
掻きむしりによる傷から細菌感染(とびひなど)を起こすリスク
-
ゴーグルアレルギーを見逃すと、使用するたびに症状が悪化する可能性
-
肌バリア機能の低下により、他のアレルゲンに対しても敏感になる恐れ
よくある質問(Q&A)
Q1. プールの塩素で肌荒れするのはなぜですか?
A. 塩素が肌の皮脂膜を溶かし、バリア機能を低下させることが原因と考えられます。プールの消毒に使われる塩素は、肌表面を覆う皮脂膜を溶かし、角質層のタンパク質を変性させることがあります。これにより肌のバリア機能が一時的に低下し、乾燥やかゆみ、赤みなどの症状が現れることがあります。特に子どもの皮膚は角質層が薄いため、成人よりも影響を受けやすい傾向があります。
Q2. プール後のスキンケアはどうすればいいですか?
A. 『早めのシャワー→弱酸性洗浄料で洗う→5分以内の保湿』が基本です。プールから上がったらすぐにシャワーで塩素を洗い流し、帰宅後は36〜38℃のぬるま湯で弱酸性の洗浄料を使って優しく洗いましょう。入浴後は肌が乾く前の5分以内に保湿剤を塗布することが重要です。保湿剤はセラミドやヘパリン類似物質配合のものが効果的であるとされています。
Q3. ゴーグルの跡がかぶれた時はどうすればいいですか?
A. まず冷やして炎症を抑え、2〜3日改善しなければ皮膚科を受診しましょう。ゴーグルかぶれが生じたら、まず患部を清潔な水で洗い流し、冷たいタオルなどで冷やして炎症を抑えます。その後、低刺激の保湿剤でケアしてください。2〜3日経っても改善しない場合や、水ぶくれができている場合は皮膚科受診を推奨します。同じゴーグルで繰り返しかぶれる場合は、素材へのアレルギーの可能性も考えられます。
Q4. 市販薬で対処しても大丈夫ですか?皮膚科に行くべき目安は?
A. 軽度の症状は市販薬で対処できることもありますが、2〜3日で改善しなければ皮膚科へ相談しましょう。軽い乾燥やかゆみであれば、市販の保湿剤やかゆみ止めクリームで対処できることがあります。ただし、2〜3日経っても改善しない、症状が悪化する、水ぶくれやジュクジュクした湿疹がある、掻きむしって傷ができている場合は、必ず皮膚科を受診してください。特にステロイド外用薬を自己判断で長期間使用することは避け、医師の指導のもとで適切な治療を受けることが大切です。
診療予約について
アイシークリニックは、平日夜20時まで診療対応しており、土日祝日も診療しているため、学校・仕事帰りや休日に受診しやすい体制が整っています。新宿・渋谷・上野・池袋・東京・大宮の6院を展開しており、アクセスも良好です。お子さまの肌トラブルから成人の皮膚疾患まで幅広く対応しています。
診療予約は以下より承っております。お気軽にご利用ください。
-
ご予約はこちら
-
アイシークリニック新宿院: http://ic-clinic-shinjuku.com/
-
アイシークリニック渋谷院: http://ic-clinic-shibuya.com/
-
アイシークリニック上野院: http://ic-clinic-ueno.com/
-
アイシークリニック池袋院: http://ic-clinic-ikebukuro.com/
-
アイシークリニック東京院: http://ic-clinic-tokyo.com/
-
アイシークリニック大宮院: http://ic-clinic-omiya.com/
※新宿院皮膚科一般外来のみでの対応となります。具体的な診療内容や受診の判断については、各医療機関にお問い合わせください。