マダニ被害調査で判明:8割が「自己処置」 SFTS認知度は2割強に留まる
2026年夏、お盆のアウトドア・帰省シーズンを前に、マダニ刺されに関する意識調査が実施されました。この調査により、マダニに噛まれた経験者の81.3%が「自分で取ろうとした」と回答していることが明らかになりました。また、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)の存在を知っている人はわずか23.7%に留まり、正しい対処法である「そのまま皮膚科を受診」を知っていた人も18.3%に過ぎないことが判明しました。
マダニと感染症の基礎知識
マダニとは
マダニは、野山や草むらに生息する吸血性の節足動物です。吸血前の体長は3〜4mm程度ですが、吸血後は1cm以上に膨張することがあります。皮膚に口器を深く刺し込み、数日〜2週間程度吸血を続ける特徴があります。
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは
SFTSは、SFTSウイルスを保有するマダニに刺されることで感染する疾患です。発熱、消化器症状、血小板減少、白血球減少などの症状が現れ、致死率は10〜30%と報告される重篤な感染症です。
日本紅斑熱とは
日本紅斑熱は、リケッチアという病原体を持つマダニに刺されることで感染する疾患です。高熱、発疹、刺し口が三徴候とされ、早期の抗菌薬治療が必要な感染症です。
マダニ刺されの対処法比較:自己処置と医療機関受診
マダニに刺された際の対処法について、自己処置と医療機関受診では以下のような違いが挙げられます。
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口器残存リスク: 自己処置では70〜80%の確率で口器が皮膚内に残存するリスクが高い一方、医療機関では専用器具で完全に除去されるためリスクは低いとされます。
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感染症リスク: 自己処置では体液逆流の恐れから感染症リスクが高まる可能性がありますが、医療機関では適切な処置によりリスクが低減されます。
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処置時間: 自己処置は即時行えますが、医療機関受診には数時間かかる場合があります。
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費用目安: 自己処置は無料ですが、医療機関受診では保険適用で1,000〜3,000円程度が目安です。
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経過観察: 自己処置では自己判断となりますが、医療機関では医師による適切なフォローが期待できます。
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抗菌薬予防投与: 自己処置では不可能ですが、医療機関では必要に応じて可能です。
調査結果の概要
全国の20〜60代の男女300名を対象とした「マダニ刺されに関する意識調査」の結果は以下の通りです。
約4割がマダニに噛まれた経験あり
アウトドア活動経験者の約4割がマダニ被害を経験していることが判明しました。また、約1割は「わからない」と回答しており、気づかないうちに被害を受けている可能性も示唆されています。マダニは痛みを感じにくいため、発見が遅れるケースも多いと考えられます。

8割以上が「自分で取ろうとした」危険な対処を経験
マダニ被害経験者の81.3%が自己処置を試みており、正しい対処法である「そのまま医療機関を受診」を選択した人はわずか12.9%でした。無理に引き抜くと口器が残存し、感染症リスクが高まるため、この結果は正しい知識の啓発が不足していることを示しています。

SFTS認知度はわずか23.7%、76.3%が「知らない」
致死率10〜30%と報告されるSFTSについて、76.3%が「知らない」と回答しました。名前と症状の両方を理解している人はわずか8.7%に留まり、重篤な感染症リスクへの認知度の低さが浮き彫りになりました。

正解の「皮膚科」を選択したのは43.0%
マダニ刺されの第一選択となる「皮膚科」を正しく回答できたのは43.0%でした。28.3%が内科を選択しており、マダニ除去の専門的処置が可能な診療科についての認知が十分でないことが示されました。

「特に何もしていない」が最多の35.3%
約3人に1人がマダニ対策を「特に何もしていない」と回答しました。長袖・長ズボンの着用や虫除けスプレーの使用など、基本的な予防策を実践している人は6割程度に留まり、予防意識の向上が急務であることが示されました。

調査まとめ
本調査により、アウトドア活動経験者の約4割がマダニ被害を経験している一方で、正しい対処法の認知度は著しく低いことが明らかになりました。特に、被害経験者の8割以上が「自分で取ろうとした」という危険な対処を行っており、SFTS等の重篤な感染症リスクを知っている人も23.7%に過ぎません。お盆シーズンを前に、マダニ刺されの正しい対処法(無理に取らず皮膚科を受診)と感染症リスクについての啓発が急務であることが示されました。
医師からのコメント
皮膚科医は、15年以上の臨床経験から、マダニに噛まれた場合は絶対に自分で無理に引き抜かないよう注意を促しています。マダニの口器には逆向きの棘があり、無理に引き抜くと口器が皮膚内に残存し、感染症リスクが大幅に高まるためです。
マダニは皮膚に口器を深く刺し込んで吸血するため、通常の虫刺されとは異なる対処が必要です。無理にマダニを引き抜くと、体内の病原体が人体に逆流する恐れがあり、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)、日本紅斑熱、ライム病などの感染症リスクが高まる可能性があります。特にSFTSは致死率10〜30%と報告される重篤な感染症であり、国内でも毎年60〜100例程度の発生が報告されています。近年は関東地方でも確認されるようになっており、全国的な注意が必要です。
医療機関では、専用のマダニ除去器具を用いて口器を残さず安全に除去します。また、除去後は感染症の潜伏期間(通常1〜2週間)を考慮した経過観察の指導や、必要に応じて抗菌薬の予防投与を行うことがあります。
お盆シーズンにキャンプや登山、帰省先での農作業を予定されている方は、まず予防対策を徹底し、万が一マダニに噛まれた場合は慌てずに皮膚科を受診してください。夜間や休日でマダニ部分を清潔なガーゼで覆い、翌日の受診でも問題ないとされています。
国立感染症研究所の報告では、SFTS患者の約90%以上にマダニ刺咬歴または刺咬痕が確認されています。また、日本皮膚科学会では、マダニ刺咬に対して自己での除去を行わず、医療機関での適切な処置を推奨しています。
マダニに噛まれた際の正しい対処法
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絶対に自分で無理に引き抜かないでください。
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マダニを触らず、そのままの状態で皮膚科を受診してください。
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夜間・休日の場合は清潔なガーゼで覆い、翌日受診でも問題ありません。
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受診後2週間は発熱・発疹等の症状に注意してください。
お盆シーズンのマダニ予防対策
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長袖・長ズボン・帽子を着用し、肌の露出を減らしましょう。
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ディート・イカリジン配合の虫除けスプレーを使用しましょう。
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草むら・藪に直接座ったり、寝転んだりしないようにしましょう。
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帰宅後は速やかに入浴し、全身をチェックしましょう。
よくある質問(Q&A)
Q1. マダニに噛まれたらどうすればいい?
A. マダニを触らず、そのままの状態で皮膚科を受診することが最も安全な対処法です。無理に引き抜くと皮膚内に口器が残存し、感染症リスクが高まる可能性があります。夜間や休日の場合は、マダニ部分を清潔なガーゼで覆い、翌日の受診でも問題ありません。
Q2. マダニは自分で取っていいの?
A. 自分で取ることは推奨されません。口器が残存し、感染症リスクが高まる可能性があります。マダニを無理に引き抜くと、70〜80%の確率で口器が皮膚内に残存するとされています。また、マダニの体を圧迫すると体内の病原体が逆流し、SFTS等の感染リスクが高まる可能性も指摘されています。皮膚科では専用器具で安全に除去できます。
Q3. マダニに噛まれたら何科を受診すればいい?
A. 皮膚科を受診してください。皮膚科ではマダニ除去用の専用器具を備えており、口器を残さず安全に除去することができます。また、除去後の感染症予防指導や、必要に応じた抗菌薬の処方も行われることがあります。
Q4. マダニに噛まれた後、どんな症状に注意すべき?
A. 除去後2週間は、発熱・発疹・倦怠感・消化器症状に注意が必要です。マダニが媒介する感染症の潜伏期間は1〜2週間程度です。この期間中に38℃以上の発熱、全身の発疹、強い倦怠感、下痢・嘔吐などの症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。受診時には必ずマダニに噛まれた経緯を伝えることが重要です。
Q5. マダニに噛まれないための予防法は?
A. 長袖・長ズボンの着用と虫除けスプレーの使用が基本的な予防策です。予防の基本は、肌の露出を減らすことです。長袖・長ズボン・帽子を着用し、ズボンの裾は靴下の中に入れましょう。ディート・イカリジン配合の虫除けスプレーも有効です。また、帰宅後は速やかに入浴し、耳の後ろ・脇の下・膝裏など全身をチェックしてください。
放置のリスク
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口器残存による化膿・慢性感染のリスク
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SFTS(重症熱性血小板減少症候群)感染による重篤な症状(致死率10〜30%)
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日本紅斑熱やライム病など複数の感染症リスク
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感染症の発見遅延による重症化
受診の目安
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マダニに噛まれていることに気づいた時点で速やかに皮膚科を受診してください。
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マダニ除去後2週間以内に38℃以上の発熱がある場合。
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全身に発疹が現れた場合。
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強い倦怠感、筋肉痛、関節痛が続く場合。
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下痢、嘔吐、腹痛などの消化器症状がある場合。
医療機関案内
アイシークリニックでは、皮膚科専門の医師が在籍し、マダニ除去や感染症リスクの評価、経過観察の指導を行っています。新宿、渋谷、上野、池袋、東京、大宮の6院で土日祝日も診療しており、アクセスしやすい環境です。
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