研究開発の背景と課題
日本においては、国民医療費が過去最高を更新し、平均寿命と健康寿命の間に「不健康期間」が存在することが課題となっています。このような状況を改善するためには、病気の「治療」だけでなく、「予防」に重点を置いた健康管理への転換が不可欠とされています。
予防型の健康管理には、年に一度の健康診断だけでは捉えきれない、個人の体内変動を継続的に観察することが求められます。しかしながら、特定健診の受診率は国の目標を下回っており、心拍や体温などを計測するウェアラブルデバイスも、体内のバイオマーカー(生体内の変化を示す物質)を継続的かつ定量的に測定する手段としては、まだ確立されていません。
本研究開発の概要
本事業では、日常生活における排尿行為の中で、バイオマーカーの採取から測定までが自動で完結し、その場で定量的に判定できる「トイレ統合型デバイス」の開発に取り組みます。
研究開発計画名
『診るトイレ』の実現:尿中バイオマーカーのポイントオブケア測定による日常的未病検知システムの確立
特徴
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体内バイオマーカーの測定と継続性の両立(尿の活用): 採血とは異なり、痛みを感じることなく、毎日自宅で自然に尿を採取し測定できる仕組みを目指します。
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『診るトイレ』デバイスの開発: 電気化学的な検出機構とマイクロ流路採取機構を組み合わせることで、意識することなく排尿行為の中で自動的に採取・測定が完結するデバイスの開発を進めます。
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多様なバイオマーカーへの拡張性: 将来的には、DiAcSpmや尿酸など、様々なバイオマーカーを測定対象とすることで、複数の健康指標を一つのプラットフォームで可視化することを目指しています。
このデバイスの開発を通じて、日常の中で意識せずに継続的な健康管理を行えるインフラを構築し、国民の健康寿命延伸と医療費の抑制に貢献することを目指します。
成長型中小企業等研究開発支援事業について
成長型中小企業等研究開発支援事業は、中小企業が大学や公設試験研究機関などと連携し、ものづくり基盤技術やサービスの高度化を図るための研究開発や試作品開発、さらにはその成果の販路開拓を支援することを目的としています。
詳細は中小企業庁のウェブサイトで確認できます。
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/saitaku/2026/260626001.html
Craifについて
Craif株式会社は、2018年に設立されたバイオAIスタートアップで、がんの早期発見に注力しています。同社は、尿などの体液からDNAやマイクロRNAといった多様なバイオマーカーを高精度に検出する独自の解析技術基盤「NANO IP®︎(NANO Intelligence Platform)」とAI技術を融合させ、がんの超早期発見、早期治療、早期復帰を可能にする検査の開発を進めています。バイオテクノロジーとAIの力を社会に広めることで、「人々が天寿を全うする社会の実現」というビジョンの推進を目指しています。
Craif株式会社の詳細については、以下のウェブサイトをご覧ください。
https://craif.com/