健康診断結果の「異常なし」を過信しない重要性:CKD啓発イベントで参加者の健診意識が向上
株式会社ユーグレナと株式会社リーフェホールディングスは、2026年7月19日に無料イベント「健康診断結果『読み解き』相談会~『異常なし』を過信しない。医師が教える将来の腎臓病リスク~」を共催しました。このイベントは、初期に自覚症状が乏しく、健康診断結果の継続的な確認が早期発見に繋がる慢性腎臓病(CKD)への理解を深めることを目的として開催されました。
イベントで参加者のCKD理解度と健診意識が大幅に向上
イベントには48名が参加し、参加後のアンケートでは、CKDへの理解向上と健康診断結果への意識向上が確認されました。イベント全体に「非常に満足 / 満足」と回答した参加者は95.7%、医師の説明・Q&Aを「とても分かりやすかった / 分かりやすかった」と回答した参加者は97.8%に達しました。

特に注目すべきは、参加者のCKD理解度が大きく向上した点です。事前アンケートではCKDという略称の正答率が34.6%、日本における患者推計の正答率が30.8%でしたが、参加後にはそれぞれ91.3%、100%まで上昇しました。これにより、健康診断結果の読み解きを通じたCKD啓発の有効性が示されました。

健康診断結果の正しい見方と「沈黙の臓器」腎臓の重要性
イベントでは、髙取優二先生が健康診断結果の見方について講演しました。髙取先生は、健康診断結果を「未来の自分からの手紙」と表現し、一度の数値だけでなく、何年分かの結果を時系列で確認することで、ゆっくりとした変化に気づくことができると強調しました。
健康診断の「経過観察」は、単に様子を見るだけでなく、次の検診や再検査に繋げるための「黄色信号」であると説明されました。気になる結果があった場合には、不安を放置せず、3〜6カ月後の再検査や医療機関への相談など、具体的な行動に繋げることが大切です。
また、コレステロールや中性脂肪、血糖値、尿検査、血圧など、日々の体調や測定条件によって変動しやすい項目がある一方で、HbA1c(過去1~2ヶ月の血糖値の平均を示す指標)やヘモグロビン(貧血の指標)のように比較的変動しにくい項目もあると解説され、数値の背景を理解することの重要性が共有されました。

質疑応答では、健康診断後に病院を受診するタイミングや、どの診療科を受診すればよいかといった質問が寄せられました。気になる結果があった場合は早めに相談することが望ましく、診療科に迷う場合はまず内科に相談する選択肢があることが紹介されました。

続いて、慢性腎臓病(CKD)についての講演が行われました。CKDは、腎臓の働きが弱った状態が3カ月以上続く病気で、尿にたんぱくが混じる、または腎臓のろ過する力(eGFR)が一定水準を下回る状態が続く場合に診断されます。成人の約5人に1人、およそ2,000万人がCKDと推定されており、参加者からは「5人に1人は衝撃的でした」といった声が聞かれました。

CKDは初期にほとんど自覚症状がなく、そのまま進行することがあるため、健康診断の数値を継続的に確認し、早期に変化に気づくことが非常に重要です。腎臓は一度機能が低下すると回復が難しい大切な臓器であり、減塩、適切な水分補給、運動、適正体重の維持、禁煙、市販薬の使い方への注意など、日々の生活習慣を見直すことが腎臓の働きを守る上で大切です。また、腸内環境を整えることも、腎臓の健康を考える上での一つの視点になり得ると説明されました。

CKD対策の新たな可能性として、腸内環境と腎臓の関係に着目したパラミロン研究を紹介
後半のパートでは、ユーグレナ社研究員の中島氏より、微細藻類ユーグレナ由来パラミロンの働きと、慢性腎臓病への応用可能性について講演が行われました。ユーグレナは植物と動物の両方の性質を持つ珍しい生き物で、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、不飽和脂肪酸など幅広い種類の栄養素を含む食品素材です。ユーグレナに含まれるパラミロンは、不溶性食物繊維のように働く成分として紹介されました。

従来の食事療法が減塩やたんぱく質、リン、カリウムなどを制限する「引き算」の視点が中心である一方、ユーグレナ由来パラミロンは、食事や生活習慣の改善を補う「足し算」の視点で貢献できる可能性を持つ素材として研究が進められています。慢性腎臓病のラットを用いた研究では、パラミロン摂取群で尿たんぱく量や腎障害の抑制が見られ、腸内細菌叢の変化も確認されたことが紹介されました。これらの結果を踏まえ、慢性腎臓病への影響について、今後も研究を進めていく考えが示されています。
詳しくは、株式会社ユーグレナのニュースリリースもご参照ください。
- 微細藻類ユーグレナの特有成分パラミロンが慢性腎障害を抑制することを示唆する研究結果を確認しました | 株式会社ユーグレナ: https://www.euglena.jp/news/20200821-2/
健診結果の見直しから家族への共有まで、参加後の行動意向にも変化
このイベントを通して、健康診断結果を「異常なし」かどうかだけで判断するのではなく、自分の体の変化を知るための情報として継続的に見ていくことの大切さが、医師と研究者それぞれの立場から語られました。参加後のアンケートでは、CKDへの理解度向上と健診に対する意識向上がいずれも100%となり、参加者の学びが具体的な確認行動へ繋がったことがうかがえます。
特に、「健康診断結果全体を見直す」が67.4%、「eGFR(腎機能)の結果を確認する」「食生活を改善する」「家族や知人へ共有する」がそれぞれ47.8%となり、健康診断結果の読み解きが、本人の健康管理に加え、周囲への啓発にも広がる可能性が示されました。

株式会社ユーグレナは、2026年より新規事業として疾患領域を位置づけ、CKD予防および進行抑制に取り組んでおり、今回のイベントもその一環として実施されました。今後も「人と地球を健康にする」というパーパスのもと、CKDに関する正しい理解の促進、ヘルスケア領域における研究開発や情報発信を通じて、一人ひとりが将来の健康リスクに早く気づける社会づくりに貢献していくとのことです。
健康診断の結果についてご不明な点がある場合や、ご自身の健康状態に不安がある場合は、必ず医療機関や専門家にご相談ください。