認知症相談の現状とサイト開設の背景
同センターが行った調査から、以下の3つの実態が明らかになりました。
1. 相談のきっかけ、約6割が「ホームページ」
アンケート調査によると、専門相談を知ったきっかけとして最も多かったのは、同クリニックのホームページで19件(回答31件中)でした。地域包括支援センターや市役所、他医療機関、担当ケアマネジャー、家族などが続く中、紙のチラシをきっかけとした回答は0件でした。この結果から、認知症に関する情報は、オンラインでの検索を通じて得られることが多いと考えられます。特に、「同じことを何度も聞くようになった」「通帳がないと言い出した」といった日常的な言葉での検索が、相談への第一歩となっていることが示唆されています。
2. 相談者の約9割は本人以外の家族
233件の相談記録を分析した結果、相談を寄せたのは本人が9%にとどまり、残りの約9割はご家族などご本人以外からでした。その内訳では「子(娘・息子)」が48%と最も多く、次いで「配偶者」が21%でした。このデータは、認知機能の変化に最初に気づき、相談の窓口を担うのが、40〜60代の子世代である傾向を示しています。
3. 相談が診断への「橋渡し」として機能
相談後、約95%のケースでMRIや認知機能検査といった精密検査の予約につながっており、相談が早期診断に向けた具体的な一歩として役立っていることがうかがえます。アンケートでは、電話相談の対応について回答者全員が「大変良かった」または「良かった」と回答しており、相談全体についても31名中30名が「良かった」以上と評価しています。受診を決める前の段階で、まず相談できる場所としての機能が評価されていると考えられます。
専用サイトの概要
これらの調査結果を踏まえ、開設された専用サイトは、認知症の不安を抱える方やそのご家族が求める情報にアクセスしやすいよう設計されています。
サイトURL:https://www.ebinou.com/ninchisho/
公開日:2026年8月21日
運営:えびな脳神経クリニック 認知症疾患医療センター(神奈川県指定・連携型)
想定利用者:認知機能の変化が気になるご本人、そのご家族(特に40〜60代の子世代)、地域の医療・介護関係者
主なコンテンツ:当センターについて、初めての方へ、認知症のサイン(受診を迷う段階で確認できる初期サインの解説)、認知症について、ご家族の方へ、相談窓口、よくある質問、医療・介護職の方へ、お知らせ
サイトの冒頭には「認知症の不安、一人で抱えないでください」というメッセージが掲げられています。特に「ご家族の方へ」や「認知症のサイン」といった項目は、家族が最初に認知症の兆候に気づくという調査結果を反映しています。
認知症専門相談窓口
認知症に関する専門相談は、以下の専用ダイヤルで受け付けています。
認知症専用ダイヤル:046-204-8817
受付時間:月〜金 9:00〜18:00
この専門相談は、神奈川県指定の認知症疾患医療センターの事業として無料で利用できます。地域を問わず相談可能ですが、実際の相談や受診は海老名市・座間市・綾瀬市を中心とした神奈川県央地域からが多い傾向にあります。
今後の取り組み
えびな脳神経クリニック 認知症疾患医療センターでは、今後も認知症ケアの充実に向けて以下の取り組みを進めるとしています。
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若年性認知症への対応強化:64歳以下の方に関する相談にも対応し、専門機関への情報提供や橋渡しを強化します。
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行動・心理症状(BPSD)への支援強化:物盗られ妄想や幻覚、易怒性といった行動・心理症状(BPSD)の兆候を初期相談で捉え、具体的な対応策と精神的なサポートを提供できる体制を強化します。
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地域連携のさらなる強化:地域の医療機関や地域包括支援センターとの連携を強化し、相談から診断、その後のケアプランニングまでをスムーズにつなぐ体制の確立を目指します。
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活動報告の継続的な公開:専用サイトの「お知らせ」欄で相談実績と分析を公開し、地域における認知症相談の実態を継続的に共有することで、ご本人・ご家族、そして地域の医療・介護関係者の判断に役立つ情報の蓄積を目指します。
認知症に関する不安や疑問がある場合は、一人で抱え込まず、専門機関への相談を検討することが大切です。詳しくは医療機関や専門家にご相談ください。