高血圧治療における負担の実態
調査結果によると、高血圧の治療を続けている方の36.8%が、治療を続ける上で負担やストレスを感じていることが判明しました。何らかの困りごとを抱えている方の割合は76.4%に上ります。具体的な困りごとの内訳は、「定期的な通院」が51.2%と最も多く、次いで「家庭での測定と記録・管理」が37.1%、「食事や運動など生活習慣の見直し」が32.4%と、多岐にわたります。
負担を感じる理由としては、「通院に時間や手間がかかる」が61.7%、「費用の負担が大きい」が45.3%と上位を占めました。これらの結果は、治療が日常の中に小さな負担として積み重なっている現状を示唆しています。

家庭での血圧測定の課題
家庭での血圧測定は、日常の血圧状態を把握し、治療方針の判断に役立つ重要な指標とされています。しかし、今回の調査では「ほぼ毎日」測定している方が47.1%にとどまりました。
家庭での測定が週1回に満たない方にその理由を尋ねたところ、「毎日測るのが面倒で、習慣にならない」が44.3%と最多でした。また、「記録・管理するのが面倒」「測っても治療に活かされている実感がない」「正しく測れているか自信がない」がそれぞれ18.6%と同率で続き、測定の手間だけでなく、その意義が見えにくいことが継続を妨げる要因となっていることが示されました。

生活習慣の見直しに対する受け止め方
生活習慣の見直しに対する受け止め方も、治療継続の負担感に影響を与えることが示唆されました。「健康のために工夫するもの」と捉えている方は54.2%、「我慢したり制限したりするもの」と捉えている方は45.8%と、ほぼ半々に分かれています。
このうち、「工夫」と捉えている方の27.7%が負担を感じているのに対し、「我慢」と捉えている方では47.6%が負担を感じており、受け止め方によって負担感が大きく異なる傾向が見られました。

治療継続を無理なく続けるための「支え」
無理なく治療を続けられている方(負担を感じていない方)にその理由を尋ねると、「血圧の数値が下がって手応えがある」が70.1%と最も多く、次いで「自分の生活に無理なく組み込む工夫ができた」が60.8%、「習慣として身についている」が59.5%と続きました。治療の効果を実感できることや、自身の生活に合わせた工夫、そして習慣化が重要であることがうかがえます。

治療を続ける上で「これがあれば負担が減る」と感じるものを尋ねたところ、66.8%が何らかの「支え」を挙げました。特に負担を感じている層では82.6%が「支え」を求めています。
具体的には、「血圧や体調の記録を自動でまとめてくれる仕組み」が36.3%と最多で、次いで「治療の効果や見通しをわかりやすく示してくれるもの」が26.9%、「自分の生活に合わせた具体的なアドバイス」が22.6%などが挙げられました。これらの結果は、日々の記録の手間を軽減し、治療の進捗や効果を可視化する仕組みが求められていることを示しています。

医師からのコメント
Ubie株式会社在籍医師(総合内科)の平松由布季氏は、高血圧治療の難しさについて「ほとんど自覚症状がないことにあります。治療の目的は、将来の脳卒中や心臓の病気を防ぐことですが、『防げた』ことは実感できません」と述べています。手応えのなさが治療継続の負担につながる可能性を指摘し、手応えがないと感じた場合は主治医に伝えることの重要性を強調しました。
また、家庭での血圧測定については、医師の側でも見直せる余地があるとしています。ガイドラインでは一定期間の平均値が評価に必要であり、必ずしも「一生、毎日欠かさず」を求める必要はないとし、患者と話し合って無理なく続けられる範囲で設定することの必要性を提言しました。さらに、患者の努力を目に見える形でお返しする工夫や、負担が大きいときに自己判断で治療を中断せず、医師に相談することの重要性を呼びかけています。
高血圧の治療は長期にわたるため、心身への負担を軽減し、継続をサポートする仕組みが重要です。詳しくは医療機関・専門家にご相談ください。
医療迷子レスキュープロジェクトについて
「医療迷子」とは、体調不良に気づいてから暮らしに戻るまで、医療に関わるあらゆる段階で困りごとを抱えてしまう状態を指します。Ubie株式会社の「医療迷子レスキュープロジェクト」は、これらの「医療迷子」の実態を調査やインタビューなどから紐解き、誰もが自分に合った医療にアクセスできる社会づくりを目指しています。
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