澤田圭史氏のプロフィール
澤田圭史氏は、高知県を拠点に重度訪問介護事業などの福祉事業に取り組む社会起業家です。高校卒業後、社会人経験を経て30歳で看護師資格を取得。高知市の病院勤務を経て、母親が経営する訪問介護事業所の経営危機に際し、利用者とスタッフを守るためNPO法人の理事長に転身しました。現在まで約7期にわたり事業を牽引しています。

澤田氏が語る四国ネットワーク構築の必要性
澤田氏は、重度訪問介護(重度の肢体不自由者や精神障害者などに対し、自宅で入浴、排せつ、食事などの身体介護や、外出時の移動介護などを総合的に提供するサービス)に携わる中で、「相談できる場」の必要性を常に感じてきたと述べています。
現場で生じる課題や悩み、制度に関する知識や理解が十分でないことによる判断の迷い、地域によっては重度訪問介護の事業所が少ないため相談相手がいないといった現実があるといいます。また、指定権者である自治体には相談しづらいという声も聞かれます。
澤田氏は自身の経験から、事業開始当初や制度変更時に自治体に相談をためらう経営者が多い可能性に言及し、各事業所が抱える課題やその解決事例を不安なく共有できるプラットフォームが必要だと考えています。全地連は、そうした場を実現できる組織であると期待を寄せています。
経営面では、慢性的な担い手不足が続く中、職員確保のための処遇改善を優先してきたものの、訪問介護事業(介護保険)の報酬減少もあり、前期は赤字を計上したと明かしています。自社の人件費率が業界全体と比べて高いのか低いのかなど、相対的な判断が困難な現状も指摘されています。
今後は全地連を通じて、こうした経営課題や単価の問題について、複数の事業所から集約したデータをもとに、業界としての提言を発信していく必要があると考えています。全国規模での勉強会や現地での意見交換を通じ、経営ノウハウの共有と相互の連携強化を推進し、規模や経営状況が異なる事業所からの声も含め、業界全体で学び合える場の構築が重要であると語っています。
四国支部長として、四国の事業者の皆さまとともに、より良い地域生活支援の環境づくりに取り組んでいく方針です。
全国障害者地域生活支援事業者連絡会(全地連)とは
一般社団法人全国障害者地域生活支援事業者連絡会(全地連)は、重度障害のある方が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる社会の実現を目指す、障害福祉サービス事業者の全国組織です。重度訪問介護をはじめとする地域生活支援に携わる事業者が連携し、現場で培った知見や課題を共有しています。
研修・情報交換・経営支援を通じてサービスの質と事業運営の健全性を高めるとともに、利用者・家族・行政・関係団体との対話を重ね、制度や支援環境の改善にも取り組んでいます。事業者同士が支え合い、一人ひとりの尊厳ある地域生活を支える持続可能な仕組みづくりを目指しています。
詳細については、全地連のウェブサイトをご確認ください。
今後の展望
澤田氏のリーダーシップのもと、全地連四国支部は高知県を皮切りに、徳島、香川、愛媛を含む四国全域へのネットワーク拡大を目指します。業界全体の発展には、事業所数の増加と事業者間の連携強化が不可欠であるとの認識に基づき、情報共有、経営ノウハウの共有、そして業界としての提言発信を通じて、地域における障害者支援の質向上と持続可能な運営体制の構築に貢献することが期待されます。ご自身の状況やサービスの利用については、詳しくは地域の医療機関や専門家にご相談ください。