部分てんかんとは
部分てんかんは、局所てんかん(Focal Seizures)とも称される神経疾患です。これは、脳の特定領域のみで異常な電気活動が発生することで引き起こされます。発作は主に側頭葉で発生することが多く、影響を受ける脳領域に応じて、感覚異常、知覚変化、筋肉のけいれん、意識状態の変化など、多様な症状が現れる可能性があります。
世界中で約5,000万人がてんかんを患っていると推定されており、そのうち約70%が部分てんかんに該当すると考えられています。発作時の意識状態によって、意識が保たれる「単純部分発作」と、意識障害が生じる可能性のある「複雑部分発作」に分類されます。
診断と治療の現状
部分てんかんの診断には、脳波検査(EEG)が主要な方法として用いられます。これにより、脳内の異常な電気活動が確認され、発作の種類や発生部位が特定されます。必要に応じて、MRIなどの画像診断も行われ、脳構造の異常や腫瘍、損傷などの原因が調査されます。
治療の中心は、抗てんかん薬(AED:Antiepileptic Drugs)による薬物療法です。部分てんかんでは、ラモトリギンやカルバマゼピンなどが代表的な治療薬として使用されています。これらの薬剤は、神経細胞の過剰な興奮を抑制し、発作の頻度を低下させることを目的としています。
薬物治療で十分な効果が得られない難治性の場合には、外科的治療が検討されることがあります。また、睡眠不足やストレス、過度の飲酒が発作誘発要因となる可能性があるため、規則正しい生活やストレス管理といった生活習慣の管理も重要とされています。
疫学動向と主要市場の状況
「Partial Epilepsy Epidemiology Forecast Report 2026-2035」では、2019年から2025年を過去期間、2025年を基準年、2026年から2035年を予測期間として、部分てんかんの疫学動向が包括的に分析されています。
世界的に約5,000万人がてんかんを患っており、その約70%が部分てんかん患者であると推定されています。部分てんかん患者のうち、約70%が複雑部分発作を経験しているとされ、これは全てんかん症例の約50%を占めると報告されています。また、特発性焦点てんかん(Idiopathic Focal Epilepsy:IFE)は、人口の約0.2%に発症すると推定されており、小児期に発症する良性てんかんとして知られています。
高齢者における部分てんかんの疾病負担も大きく、75歳以上の高齢者では活動性てんかんの有病率が約1.5%に達し、その約60%が部分てんかんに分類されると報告されています。
主要8市場における疫学状況は以下の通りです。
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米国: 北米地域では男性のてんかん発症率が女性よりやや高い傾向が見られます。低所得層や一部の民族集団では、診断や治療へのアクセス不足が課題となる可能性があります。
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欧州(ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国): てんかん診断・治療体制が整備されている一方で、高齢化の進展に伴い、高齢者の部分てんかん患者増加が医療課題となっています。
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日本: 高齢化社会の進行により、脳血管疾患や加齢関連の神経疾患に関連したてんかん患者への対応が求められています。専門医による診断、抗てんかん薬による長期管理、生活の質(QOL)向上を目的とした包括的な治療が重要視されています。
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インド: 人口規模の大きさから潜在的な部分てんかん患者数は多いと考えられますが、専門医不足や診断設備へのアクセス制限、治療継続率の低さが課題として挙げられています。
未充足ニーズと今後の展望
部分てんかん市場における主要な未充足ニーズとして、薬剤抵抗性てんかんに対する新規治療法の開発、より精密な診断技術の普及、個別化治療の推進が挙げられます。神経刺激療法、デジタルヘルス技術、遺伝子解析を活用した新しい治療アプローチの研究も進められています。
今後の部分てんかん疫学では、高齢化人口の増加、診断技術の向上、疾患認知度の向上により、診断される患者数および治療需要は拡大すると予測されています。これにより、より安全で効果的な抗てんかん治療薬や包括的なケアサービスへの需要が高まることが見込まれます。
本レポートは、部分てんかんに関する患者動向、有病率推移、地域別疾病負担、治療需要、将来的な市場機会を把握するための包括的な疫学資料として、医薬品開発、研究開発戦略、市場分析、医療サービス計画の策定に活用できる情報を提供しています。
詳細については、株式会社マーケットリサーチセンターのウェブサイトをご覧ください。
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