業務負担の最大要因は「記録作成」が51.9%を占める
日々の業務で最も負担が大きいと感じる項目(複数回答)では、「サービス担当者会議やモニタリングの記録作成」が51.9%で最多となりました。次いで「行政等への書類作成・事務作業」が43.4%、「関係機関との連絡調整」が32.1%と続いています。これは、ケアマネジャーの業務時間の多くが記録、事務、調整に費やされていることを示唆しています。

1日の平均残業時間については、「ほぼない」が41.5%で最多である一方、「1~2時間程度」が23.6%、「2時間以上」が17.9%となり、合わせて約4割のケアマネジャーが日常的に残業している実態が明らかになりました。

業務負担軽減のために個人で取り組んでいることとしては、「記録のテンプレート化・定型文の活用」が63.2%で最も多く、「音声入力やスマホを活用した隙間時間での記録作成」(49.1%)、「チャットやメールなど非同期の連絡手段への切り替え」(44.3%)が続きました。現場のケアマネジャーが、個人の裁量で業務効率化の工夫を重ねている様子がうかがえます。

関係機関との連絡手段は「電話」が依然として主流
他の介護事業所や医療機関とのやり取りで最も多く使われている連絡手段は、「電話」が65.1%で圧倒的多数を占めました。「FAX」が14.2%、「ビジネスチャット(LINE WORKS、MCSなど)」が11.3%、「メール」が7.5%と続き、デジタルツールへの移行は限定的です。

回答者からは、「こちらがペーパーレス化を進めていても、FAXでのやり取りを求められる」「連携ツールも他事業所が使えないため、結局電話かFAXが多い」といった声が寄せられました。自事業所のデジタル化が進んでいても、連携先が対応していなければ効果が限定されるという、業界全体でのデジタル化推進の必要性が浮き彫りになっています。
AIツール使用率は85.8%に到達、ChatGPTが最多
業務でのAIツール使用状況について尋ねたところ、「日常的に使用している」が50.9%、「ときどき使用している」が34.9%となり、合わせて85.8%のケアマネジャーがAIツールを業務に取り入れていることが判明しました。

使用されているAIツール(複数回答)は、「ChatGPT(OpenAI)」が63名で最多、次いで「Gemini(Google)」が49名、「Copilot(Microsoft)」が16名でした。主な活用場面としては、ケアプランや担当者会議録の文例・下書き作成、研修資料の作成、制度・疾患に関する情報収集などが挙げられ、文書作成業務を中心に幅広い活用が進んでいます。

「全ての記録やまとめは音声データで記録してAIで形を変えて残している」「個人でAIに課金しているので、事業所として導入してほしい」といった意見もあり、個人の積極的な活用が先行する一方で、事業所としてのAI導入はまだ発展途上にあることがうかがえます。
事業所のIT導入は「一部のみ」が41.5%、事業所間の格差が鮮明に
事業所のITツール導入状況は、「一部のみ導入されている(紙やFAXの文化も根強く残っている)」が41.5%で最多でした。「積極的に導入され、活用できている」は35.8%に留まり、「導入されているが、あまり活用できていない」「ほとんど導入されていない」がそれぞれ11.3%でした。

ITツールの効果を感じている場面(複数回答)では、「記録作成の時間が短縮された」(49.1%)、「移動中や外出先でも業務ができるようになった」(46.2%)、「ペーパーレス化で書類管理が楽になった」(29.2%)が上位を占め、導入済みの事業所では着実に効果が実感されています。

今後導入・活用を希望するツール(複数回答)では、「関係機関と連携できるビジネスチャットツール」が46.2%でトップ、「AIツール(記録の下書き・文章作成の補助など)」が41.5%、「音声入力ツール」が38.7%で続きました。電話やFAXに依存する現状への課題意識と、AI・音声入力による記録業務の効率化への期待が表れています。

「クラウド型介護ソフト、ペーパーレス化は概ね完了しているが、外部機関が導入していないため実施できていないことが多い」「職員によってデジタル機器の操作スキルに差があり、思うように進まないこともある」といった声も寄せられています。
テレワーク希望は91.5%、実現には多角的な環境整備が不可欠
テレワーク(在宅勤務)への意向を尋ねたところ、「積極的に取り入れたい」が63.2%、「週に数日程度なら取り入れたい」が28.3%となり、合わせて91.5%がテレワークに前向きな姿勢を示しました。「ケアマネ業務の性質上、テレワークは不可能だと思う」という回答はわずか1.9%に留まっています。

テレワーク実現に必要だと思う条件(複数回答)は、「セキュリティが確保されたクラウド型の介護ソフト」(59.4%)、「テレワークに対応した勤怠管理や労務ルールの整備」(58.5%)、「スマートフォン・タブレット・ノートPCなどの端末支給」(56.6%)、「事業所内のペーパーレス化」(54.7%)が上位を占めました。「オンラインでのサービス担当者会議の制度的な容認」(40.6%)も4割を超え、ソフト・ハード両面の環境整備に加え、制度面での後押しが求められています。

「ほぼリモートでケアマネ業務をしているが、FAX、ペーパーレスが課題。行政や関係機関との連絡ツールの脱電話・書類を進めないと、家族の仕事との両立を支えられないと感じている」といった意見や、「テレワークを積極的に導入しているが、運用においてはきちんとしたルール化がないとトラブルの元になると感じている」といった声も聞かれました。
まとめ
今回の調査により、ケアマネジャーのAI活用は急速に進み、85.8%が業務にAIを取り入れている一方で、事業所全体のIT環境整備には依然として大きな格差があることが確認されました。関係機関との連絡手段は電話が65.1%を占め、連携先のデジタル化の遅れが個々の事業所の努力だけでは解決できないボトルネックとなっている現状が浮き彫りになっています。
テレワークへの意欲は91.5%と圧倒的に高く、ケアマネジャーの働き方改革への期待がうかがえます。その実現には、クラウド型介護ソフトの普及、端末支給、勤怠管理ルールの整備、オンライン会議の制度的容認など、多角的な環境整備が不可欠です。
介護現場の人材確保が深刻な課題となる中、IT化・AI活用による業務負担の軽減と柔軟な働き方の実現は、ケアマネジャーという専門職の持続可能性を高める鍵となるでしょう。
本調査は、介護ポータルサイト「介護のススメ」にて解説記事が公開されています。
介護のススメ
調査概要
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調査名: ケアマネジャーを対象とした「業務負担・IT化・AI活用」に関する実態調査(第2回)
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調査企画: 株式会社IRODORI
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調査協力: 一般社団法人日本単独居宅介護支援事業所協会(ケアマネジャーを紡ぐ会)
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調査期間: 2026年8月3日~8月17日
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調査方法: オンラインアンケート
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有効回答数: 106名
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回答者属性: 現役ケアマネジャー(経験10年以上 66.0%、3~10年 23.6%、3年未満 10.4%)