内科・生活習慣

夏の不調、実は「胃腸の冷え」が原因かも? 冷たいものの摂りすぎ、エアコン、汗冷え対策とIBSの可能性

夏の不調、実は「胃腸の冷え」が原因かも? 冷たいものの摂りすぎ、エアコン、汗冷え対策とIBSの可能性

記録的な猛暑が続く夏は、冷たいアイスやドリンクが恋しくなる季節です。しかし、「暑いから」と冷たいものばかりを体に流し込んでいると、胃腸だけでなく全身の深刻な不調を引き起こす原因になることがあります。

「夏バテだと思っていたら、実は胃腸の冷やしすぎだった」というケースも多く見られます。そこで、池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院の柏木宏幸院長が、夏特有の胃腸の冷え対策と不調の予防法について解説します。

冷たいものの摂りすぎに注意!胃腸の冷えと免疫機能の関連

夏に冷たい食べ物や飲み物を過剰に摂取すると、胃腸が直接冷やされることがあります。胃腸の温度が下がると、下痢や腹痛、食欲不振だけでなく、免疫機能の低下を招くと指摘されています。

体温や内臓の温度が適切に保たれることで、人間の免疫機能は正常に働くと考えられています。冷やしすぎると免疫機能が落ちやすくなり、結果として「夏風邪」を引きやすくなる可能性もあります。

例えば、アイスを1日に5〜6本、多い時には8個も食べるというケースは、食べすぎにより胃腸に負担をかける可能性があるため、どんなに暑くても冷たいものの過剰な摂取は避け、適量を心がけることが大切です。

エアコンは適切に活用し、お腹の冷え対策を

胃腸を冷やさないためにエアコンを控えることは、猛暑の現代においては熱中症のリスクを高める危険な選択です。特に高齢者の方は、エアコンを我慢することで室温が上がり、熱中症で救急搬送されるリスクが上昇することがあります。

正しい対策: エアコンを切るのではなく、室温を下げすぎない「適切な温度管理」を徹底しましょう。

お腹を守る工夫: 設定温度を工夫しつつ、お腹を直接冷やさないように薄手の腹巻を活用したり、上着を1枚羽織ったりして衣服で調整するのが推奨されています。

満員電車での汗冷えと「通勤下痢」の正体

多くのビジネスパーソンが夏に悩まされるのが、「通勤電車で急にお腹が痛くなる」というトラブルです。

電車内の乗客

満員電車の熱気がこもる空間で大量の汗をかいた後、冷房が効いた車内で汗をそのまま放置すると、水分が蒸発する際に体温が一気に奪われ、エアコンの冷気と相まって激しい冷えに襲われることがあります。

対策①: 電車に乗る前や車内では、こまめにハンカチやタオルで汗を拭き取りましょう。
対策②: すぐに脱ぎ着できる薄手の上着を持ち歩き、冷房の直撃を防ぎましょう。
対策③: 冷房が苦手な方は、比較的設定温度が高い「弱冷房車」を選ぶのも有効です。

また、こうした冷えや「途中でトイレに行けない」という空間のストレス・緊張が重なることで、頻繁にお腹を下してしまう場合は、「過敏性腸症候群(IBS)」という病気の可能性も考えられます。過敏性腸症候群は、腸に器質的な異常が見られないにもかかわらず、腹痛や便通異常が続く機能性疾患です。体質だからと諦めず、消化器内科で適切な治療を受けることで症状が大きく改善する場合があるため、悩んでいる方は一度専門医へ相談してみるのがおすすめです。

体を温めるスパイスの賢い摂り方と夏の食生活

胃腸の冷えを防ぐためには、普段の食事に「生姜・ニンニク・唐辛子」など、体を内側から温める食材を取り入れるのがとても有効です。

夏に辛いものを食べると汗をかいてすっきりしますが、適度な発汗は体温調節に良い影響を与えます。ただし、激辛料理の食べすぎは逆に胃腸の粘膜を傷つけ、下痢の原因になることがあるため、あくまで「適量」を意識しましょう。

柏木院長も、夏はそうめんや冷やし中華など冷たいものを食べることはあるものの、その後に温かいお茶を飲んだり、飲み物に氷を入れすぎないようにしたりと、お腹を冷やしすぎない工夫をセットで行っていると語っています。

胃腸を労わりながら夏を全力で楽しむために、今日から「冷やしすぎない新習慣」を始めてみてはいかがでしょうか。

クリニック情報

関連ノート