開会挨拶:Welby 比木氏が語るPHRの重要性
Welby代表取締役の比木 武氏は、開会の挨拶でWPCP発足の経緯と背景を説明しました。Welbyが約15年にわたり提供してきたPHR(Personal Health Record:個人が自身の健康・医療情報を一元的に管理できる仕組み)サービスの実績に触れ、マイナポータルや電子カルテとの連携が進む中で、医療データを患者自身が学びや治療に活用できる仕組みが求められていると述べました。WPCPを通じて、患者への新たな情報提供のあり方を実現し、オープンプラットフォームとしてより良い医療の実現を目指す考えが示されました。

基調講演:中外製薬が目指すPatient Centric
基調講演には、中外製薬株式会社 営業本部 副本部長の塚本 衡司氏と、同社カスタマーソリューション部 部長の嶋内 隆人氏が登壇しました。塚本氏は、中外製薬が企業理念のコア・バリューに「患者中心」を掲げ、社員一人ひとりに深く浸透していることを紹介。創薬研究に患者の声を取り入れる「PHARMONY」など、患者を医薬品開発チームの一員として迎える協働活動について説明しました。

嶋内氏は、製品情報提供にとどまらない「アラウンドプロダクト」(医療現場の課題解決を支援する考え方)に基づき、MR(医薬情報担当者)と全国のリエゾンエリアコーディネーター(LAC)が一体となった活動や、がん患者向け情報サイト「がんWith」の取り組みを通して、「患者中心」を実現するための具体的な策を紹介しました。
Welby Session:新サービス「WPCP」の紹介
Welby取締役COO・WPCP事業責任者の中野 暢也氏は、WPCPの開発秘話とサービス概要を説明しました。患者が「欲しい情報がどこにあるか分からない」、医療者が「資材の改訂がすぐに分からない」、製薬企業が「最新性を担保した資材提供が難しい」といった三者それぞれの情報格差を、患者軸で解決するのがWPCPの役割であると述べました。
WPCPは、製薬企業が閲覧ログや評価情報をタイムリーに得てコンテンツ改善に活かせる一方、閲覧サイトであるkotokotoでは、患者や医療者が必要なコンテンツを検索・参照・評価し、お気に入り登録した薬剤・疾患の更新情報を自動で受け取ることが可能です。特に、60〜70代のユーザーがスマートフォンで迷わず使えるよう、文字を大きくし、必要な情報に絞り込む「引き算の設計」を採用。掲載コンテンツは製薬企業や医療者の監修が入ったもののみに限定されています。本サービスは2026年4月20日に提供を開始し、くすりの適正使用協議会(RAD-AR)のサイトでも紹介されています。

中野氏は、「WPCPは、必要な人に、必要なタイミングで、最新性を担保したコンテンツを届ける『情報のコンシェルジュ』を目指します。将来的にはPHRと連携し、患者の状態に応じた個別のコンテンツ配信で、患者と医療者が一緒に治療を決めていく世界の実現に貢献したいと考えています」と展望を語りました。
パートナーセッション:各社が語る患者中心医療への貢献
medパス 鈴木氏:医療者認証・情報連携の可能性
株式会社medパス 営業部 クライアントサービスグループ マネージャーの鈴木 滋己氏は、医療情報流通には患者向け情報だけでなく、専門性の高い情報へのアクセスも重要であるとし、医師・薬剤師などの資格を確認する「medパス:医療者の認証インフラ」の役割を解説しました。medパスには約40万人の医療者が登録しており、患者にはkotokotoを通じて理解しやすい情報を、医療者にはmedパス認証を通じて専門性の高い情報を提供することで、診察や服薬指導の場における対話の質を高められると示されました。

MBK Wellness 渡邉氏:『家庭の医学』が繋ぐ患者と医療
MBK Wellness株式会社 保健同人フロンティア事業本部 コンテンツ事業部 部長の渡邉 美夏氏は、同社の80年にわたる歴史と、医療・健康情報を発信する上での編集理念を紹介しました。創業者の結核闘病体験から生まれた「患者自身が科学的根拠に基づく正しい知識を持つことが、病気と向き合う力になる」という考えに基づき、『保健同人』の創刊から『家庭の医学』、そして『みんなの家庭の医学』アプリ版・Web版のリリースに至るまで、信頼性の高い情報提供を続けてきた歴史を説明。2026年からはコンテンツのAPI(Application Programming Interface:ソフトウェアの機能を共有する仕組み)提供を本格化し、WPCPとの連携も実現していることを紹介しました。全コンテンツを医師・医療専門職が執筆・監修し、正確性・最新性・一貫性・安全性・汎用性の5つを編集方針に掲げていることの重要性を強調しました。

特別講演:ファルモ 北場氏が提言する薬剤師の役割
株式会社ファルモ データインテリジェンス事業部 CDIO/戦略的提携ヘッドの北場 彰氏は、保険薬局の薬剤師が調剤中心の「対物業務」から、服薬支援や健康相談を担う「対人業務」へとシフトしている現状を解説しました。日本製薬工業協会(製薬協)の生活者意識調査で、処方薬情報の入手経路として「医師・薬剤師」を挙げる人が依然最多であることを踏まえ、最適な相手に・最適なタイミングで・最適な内容を・最適なチャネルで情報を届ける「4Rコミュニケーション」の場として薬局が果たす役割を紹介。薬剤師による「ラストワンマイル」(サービスや情報が最終的な利用者に届くまでの最後の段階)での支援が患者の行動変容や治療継続を後押しし、そのフィードバックを患者指導箋や患者サポートプログラム(PSP)の継続的な改善につなげていくことの重要性を提言しました。

閉会挨拶:医療現場と製薬企業をつなぐ「橋渡し」に
閉会にあたり、Welby取締役Chief Medical Officerの清水 健一郎氏が、医師としての経験を踏まえて挨拶を行いました。外来で患者一人にかけられる時間の制約に触れ、病気とお薬の両方を丁寧に説明することの難しさを指摘。WPCPとkotokotoが、医療現場のニーズと製薬企業が持つ適切な情報をつなぐ「橋渡し」となることへの期待を述べました。

Welbyは、「Empower the Patients ── 患者が、自ら情報を得て、自ら行動して、自ら判断する」というミッションの実現に向けて、パートナー企業とともに患者中心医療への取り組みを進めていくとしています。本セミナーは、今後の医療情報提供のあり方を考える貴重な機会となりました。詳しくは医療機関・専門家にご相談ください。
開催概要
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名称:「『患者中心』を今考えるセミナー」
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日時:2026年7月8日(水)15:00〜17:30(懇親会 17:40〜19:40)
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会場:日本橋ホール
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対象:製薬企業、医療従事者、ヘルスケア関連企業
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主催:株式会社Welby
株式会社Welbyについて
株式会社Welbyは、生活習慣病・オンコロジー・自己免疫疾患など多領域に対応するPHRプラットフォーム「Welbyマイカルテ」を中心に、医療データの利活用を支援するソリューションを提供しています。個人が自らの健康を把握し、行動変容につなげる社会の実現を目指しています。
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会社名:株式会社Welby
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所在地:東京都中央区京橋一丁目11番1号
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代表者:代表取締役 比木 武
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設立:2011年9月
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事業内容:PHRプラットフォームの開発・運用