厳正な審査と選出作品
約100名のデザイナーが昨年4月から今年3月の間に手掛けたサロン・クリニックの中から、一次審査で59作品が選定されました。さらにその中から、最終審査対象としてノミネートされたサロン部門9作品、クリニック部門5作品の計14作品について、デザイナー自身がデザインコンセプトや設計のポイントなどをプレゼンテーションしました。当日は、長岡 勉氏(POINT)、小嶋 伸也氏(小大建築設計事務所)、田中 亮平氏(G ARCHITECTS STUDIO)を外部審査員として招き、厳正な審査が行われ、各賞が決定しました。

サロン部門 設計デザイン賞 金賞
サロン部門 設計デザイン賞の金賞には、「salon L」が選出されました。

「salon L」は、6坪・1席のみの空間で「安らぎ」「静けさ」「上質で特別な時間」を追求したプライベートサロンです。手作業のぬくもりを感じられる左官仕上げや木の素材感、自然光を活かした設計、温かみのある照明によって、心地よい空間が創出されています。コンパクトながら壁によって機能が分散され、それぞれの場所に異なる役割と居心地が与えられています。審査員からは、「色の重なりが美しい」「隙間の使い方が秀逸」「壁や家具・光の配置などが計算し尽くされていて、狭い空間ながら奥行きを感じる」といった評価が寄せられました。
サロン部門 設計デザイン賞 銀賞
サロン部門では、金賞の他に銀賞4作品が選出されました。
-
Ii

数多くの指名顧客を抱える美容師による独立開業案件で、アトリエのようなミニマムな空間を目指しました。既存テナントの構造的な特徴を活かし、空間を作り込み過ぎることなく、素材や要素を丁寧に加えながらデザインが構築されています。空間内には、カラーコーンを型にモルタルで成形した脚を用いたオリジナル什器が配置され、空間全体に溶け込みながらも作品のような存在感を放っています。 -
MACHIDA

賑わう商店街の一角に位置し、父から子への世代継承に合わせて改装された美容室です。「確かな技術・特別な時間・動かないこと」をテーマに、メインマテリアルに石を採用。石の特性に着目し、一つひとつ積み重ねることで生まれる存在感を表現しています。また、「神殿」をモチーフとした秩序ある空間構成により、日常から切り離された特別な時間が演出されています。 -
muii
美容室の支店として計画されたネイル&フェイシャルサロンで、「素の美しさに還る」「忙しい日常から離れる静かなひととき」をテーマに、メインマテリアルに土を採用。床のジュートやチーク材、石などの自然素材と組み合わせることで、落ち着きと温もりを感じられる空間を実現しています。中庭と回廊を中心とした放射状のレイアウトが採用され、移動の時間までも心地よい体験となるよう設計されています。
-
TAI hair & spa

美容室の新規開業案件で、改装を重ねてきた古民家に新たな価値を加えたサロンづくりが試みられました。古民家特有の質感や雰囲気を活かしながら、既存の間取りを引用したゾーニングにより、1階には開放的なセット面とシャンプーブース、2階には個室のスパルームが配置されています。また、床組の一部を解体して吹き抜けを設けるなど、建物の魅力を引き出しながらサロンとしての機能性が実現されています。
サロン部門 設計デザイン賞 審査員特別賞
-
OAK STAND(商店建築賞)

サロン専売化粧品の販売を主軸とし、美容師がプロの視点でカウンセリングや頭皮診断を行いながら商品を提案する新しいスタイルの美容室です。「スタンディングバーのように気軽に立ち寄れる空間」をコンセプトに、物販スペース、受付カウンター、施術ブースを段階的に配置し、自然な導線の中でサービスと商品提案を行える空間が実現されています。 -
un chalett(小大建築設計事務所賞)

街道沿いの種苗店跡を改修した新規開業案件で、再び開かれ、地域に根ざした居場所となることを目指しました。道路と平行に設けた壁によって空間を二分し、シャンプーブースやバックヤードを壁の裏側に配置することでプライバシーを確保。一方で、セット面は道路からの視認性を高め、街とのつながりを感じられる構成としています。 -
room.shinsaibashi(G ARCHITECTS STUDIO賞)

大阪・心斎橋に計画された、個室型美容室の支店出店案件です。かつて長堀川に架かっていた「心斎橋」の歴史に着目し、その記憶を空間に重ね合わせることで、地域性を感じられるデザインを目指しました。お客様は待合から通路を通り、それぞれの個室へと向かいます。個室の手前には水辺を模した空間を設け、小さな橋を渡って入室する構成とすることで、施術への期待感と特別な体験が演出されています。
クリニック部門 設計デザイン賞 金賞
クリニック部門 設計デザイン賞の金賞には、「もりおか眼科」が選出されました。

クリニック部門 設計デザイン賞 銀賞
クリニック部門では、金賞の他に銀賞2作品が選出されました。
-
白戸眼科

-
烏山すぎさき眼科

審査総評と今後の展開
審査員からは、「それぞれの提案の完成度が高く、設計者が何を大切にしながらプロジェクトに向き合ったのかが空間から伝わってきた」「新たな発見や学びが多く、自身の視野を広げる機会となった」といったコメントが寄せられました。また、「個性豊かなデザイナーが多く在籍しており、一つひとつの提案に独自の視点や考え方が感じられた」「デザイナー同士が切磋琢磨しながらデザインに向き合う姿勢や情熱に感動した」といった声も聞かれました。
このコンペの受賞作品やエントリー作品は、タカラベルモントのウェブサイトやショールーム、展示会などで紹介される予定です。
関連情報
-
タカラスペースデザイン株式会社: https://www.takara-s-d.com/
-
タカラベルモント サロン事業: https://www.tb-net.jp/
-
タカラベルモントグループ サロン空間事例: https://www.tb-net.jp/salonreports/
-
タカラベルモント株式会社: https://www.takarabelmont.com/
-
タカラベルモント公式インスタグラム: https://www.instagram.com/takarabelmont_japan/
-
TB-PLUS(理美容サロン向けポータルサイト): https://salon.tb-id.com/