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パーソナルデータの安心な流通を促進する「セキュアなセンサデータストアシステム」国際標準化へ向け審議開始

「セキュアなセンサデータストアシステム」国際標準化へ向け審議開始

TISインテックグループのTISI株式会社、公立大学法人広島市立大学、株式会社ミルウス、一般社団法人セキュアIoTプラットフォーム協議会の4者が中心となり活動していた「セキュアなセンサデータストアシステム」に関する国際標準規格の提案が、2026年5月に国際電気標準会議(IEC)で承認され、国際標準規格の発行に向けた審議が開始されました。

背景と目的

IoT(Internet of Things:モノのインターネット)の進展により、さまざまな分野で機器やサービスがネットワークでつながり、データの経済的価値が高まっています。特にデータの高度活用は、日本の社会課題を解決する重要な手段と位置付けられています。

しかし、例えば介護事業者が医療・ヘルスケアIoTを利用して高齢者へのケアサービスを提供する際、連携する担当者や事業者間で利用者のデータを共有するにあたり、以下のような課題がありました。

  • パーソナルデータの授受における本人同意取得の負担が大きい。

  • 複数の事業者が取得したパーソナルデータを集約・集中管理する際の情報漏えい対策コストが過大になる。

  • 競合する事業者間での個人データ授受が円滑に進まない。

これらの課題を解決するため、4者は経済産業省の公募事業「セキュアなセンサデータストアシステムの国際標準化」を契機に、個人情報保護法規の順守とIoT情報の流通・個人情報取り扱いの透明性確保の両立を目指した技術仕様の標準化準備を進めてきました。

「セキュアなセンサデータストアシステム」の特長と期待される効果

IoTサービスプラットフォームとデータコンテナを活用し、高齢者の生体センサーデータを集約。エッジデバイスを介して医療・介護従事者が健康管理やリハビリに役立て、本人のQoL向上を目指すシステム構成図です。

「セキュアなセンサデータストアシステム」は、利用者が自身のウェアラブルデバイスなどで取得したセンサデータを安全に保存・管理するためのシステムです。

この国際標準規格が利用されることで、サービス事業者がデータの蓄積や管理を分散した場合、事業者が独自に用意したクラウドやサーバーにセンサデータを集約するシステムと比較して、セキュリティリスクや関連コストの抑制が可能になります。

また、利用者自身のデータに関するセキュリティ確保やプライバシー尊重への懸念が低減することで、IoTサービス利用者のQoL(Quality of Life:生活の質)向上への貢献が期待されます。

TISI株式会社の清家巧セクションチーフは、この規格は「自分のデータを誰に、どこまで渡すか」を本人が決めながら、複数の事業者の間で安全に共有するための技術標準であると述べています。例えば、高齢者の健康データを本人の同意した範囲で医師・薬剤師・介護士が共有し、ケアに役立てる、あるいは将来的に家庭内の生活支援ロボットを通じて得られる生活状況の情報を、本人の意思で家族や介護事業者に共有するといった使い方が想定されています。この規格は、自分のデータを安心して任せられる社会の基盤となることが期待されます。

国際標準化に向けた活動

今回の国際標準規格提案に向け、以下の活動が行われました。

  1. 「セキュアなセンサデータストアシステム」の標準化原案の作成

    • センサデータを安全に蓄積・管理する仕組みの定義

    • サービス定義書/制御つきIoTデータコンテナ(IEC63430)の定義

      • IEC63430は、ウェアラブルデバイスにおけるセンサ信号のやり取りを「コンテナ」化し、容易なデータ連携や共有を実現することを目的とした国際標準規格です。
    • ユーザーデータ提供に関する本人同意プロセスの定義

    • 上記原案作成の技術的裏付けとなる「リファレンスシステム」の開発と、実用化に向けた検証実証の実施
    • 標準化原案が国際標準となった際に活用するための認証ガイドラインの検討

今後の展望

今後は、2027年度の国際標準規格発行を目指し、規格文書の完成度を高める作業と審議が進められます。

また、IEC国際標準化の促進などを掲げる「センシングIoTデータコンソーシアム」などの関係団体と協力し、2025年に国際標準規格が発行された「センサ信号のコンテナフォーマット(IEC63430)」と併せて、多様な利用用途への普及・啓発活動を推進していく予定です。この「セキュアなセンサデータストアシステム」の国際標準化に、ぜひご注目ください。

各団体について

  • TISI株式会社 (https://www.tisi.jp/)
    TISインテックグループの一員として、金融、製造、流通、サービス、公共、通信など多様な業種で培った知見とAIをはじめとする先進技術を融合し、社会変革と価値創出を推進しています。

  • 公立大学法人広島市立大学 大学院 情報科学研究科 医用情報通信研究グループ (https://mict.info.hiroshima-cu.ac.jp/)
    Body Area Network(BAN)を用いた医療・ヘルスケア・介護クラウドシステム、生体センサシステムによる医療・ヘルスケアシステム、多機能ウェアラブルバイタルセンサとウェアラブルマルチ伝送システム、無線通信技術とデータ解析技術などの研究開発を行い、情報通信技術と医療・ヘルスケアの融合による新たなIoTの創生を目指しています。

  • 株式会社ミルウス (https://www.miruws.com/)
    多様なバイタルサインセンサで測定した生体データを元に、信号処理・知識処理(AI)を用いて感情・高精度連続血圧・睡眠・無呼吸などを推定する「仮想センサ“miruWs®”」、セキュアな環境下で測定データや情報を安全に貯蓄・配付できる「貯健箱®“miParu®”」などを提供し、医療・健康情報などの“利用者ファースト”視点での活用をサポートする、北大発認定スタートアップ企業です。

  • 一般社団法人セキュアIoTプラットフォーム協議会 (https://www.secureiotplatform.org/)
    全世界で500億台以上がネットワークに接続されるIoT機器利用者が、安心・安全にIoT機器やそのサービスを利活用できるよう、全世界標準かつデファクトなセキュリティ基盤を構築しています。日本の産業界の知見を集めたオープンイノベーションにより、IoT機器の製造段階からクラウド環境でのサービスまで包含したセキュリティ標準化の取り組みを推進しています。

関連リンク: https://www.tisi.jp/news/2026/tisi_news/20260805_1.html

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