ファストトラックフローとは
用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニックでは、開業以来「検査結果を診察前に揃える」という診療体制を目標としてきました。肝疾患や生活習慣病、脂肪肝診療においては、生化学データなどの客観的なデータが診療方針を左右するため、必要な検査をいつ、誰が判断し、結果を誰が確認して医師に渡すかといった一連の流れを診療システムとして構築することが重要であるとされています。
この考え方を「ファストトラックフロー」と名付け、受付から診察終了までを一つの診療プロセスとして設計しています。受付、医療事務、看護師、医師がリアルタイムで連携することで、「診察前に結果が揃う状態」を標準化することを目指しています。これにより、待ち時間の短縮、再診率の改善、医療安全の向上、説明時間の充実といった診療体制の実現が期待されています。
ドライケムを活かす「チーム医療」
講演では、迅速検査機器であるドライケムは診療を変える「エンジン」であり、主役ではないという点が強調されました。迅速検査が短時間で完了しても、その結果を診療へ結び付ける仕組みがなければ、その効果は限定的です。同クリニックでは、医療事務、看護師、医師が一体となり、バックヤードを司令塔として情報を統合しています。検査漏れの確認、優先順位の整理、診療状況の共有など、患者からは見えにくい業務が外来全体の品質を支えていると説明されています。
運用で実現するタスクシフト
近年、タスクシフト・タスクシェア(業務の分担・移管)が推進されていますが、制度だけでは現場の変化は難しいと指摘されています。重要なのは、「誰が、どのタイミングで、何を判断できるのか」をプロトコール(手順書)として明確化することです。同クリニックでは、疾患ごとのセットオーダー、看護師による採血フロー、症状別プロトコール、医師確認が必要な症例などを標準化し、迅速性と安全性の両立を図ることで、医師が診断と治療という本来の役割に集中できる環境を整えているとのことです。
DXの目的は「人の価値の最大化」
クリニックロボットの導入も行われていますが、その目的は人件費削減ではなく、「人の価値を最大化するDX(デジタルトランスフォーメーション)」であると説明されています。説明業務や患者誘導などをロボットが担うことで、スタッフは患者対応や判断業務に時間を使えるようになります。DXは人を置き換えるものではなく、人がより医療に集中するための環境づくりであるという考え方が示されました。
外来改革を支える「教育」
新しい診療フローは、一度構築すれば終わりではありません。同クリニックでは、採血項目の教育、検査の意味の共有、オーダーの根拠の可視化、健康教室による患者教育まで含めて診療設計と捉えています。スタッフ全員が「なぜこの検査が必要なのか」を理解することで、診療の質はさらに向上すると考えられています。
セミナーで公開された運用例
今回のセミナーでは、以下の内容について、実際のクリニック運営に基づいて詳しく紹介されています。
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ファストトラックフロー構築までの経緯
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外来導線の設計方法
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ドライケムを中心とした迅速検査運用
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タスクシフトの実践例
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バックヤード業務の考え方
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チーム医療を支えるDX
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クリニックロボット活用事例
迅速検査をどのように活用するかという視点ではなく、「迅速検査を活かせる外来をどのように設計するか」という視点で話が進められています。
オンデマンド配信のご案内
富士フイルム主催「メディカル トレンド セミナー Season4」にて、『ドライケムが変えた外来診療 ~ファストトラックフローのデザインと展開~』がオンデマンド配信中です。

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配信期間: 2026年7月24日(金)10:00 ~ 2026年8月14日(金)20:00
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申込締切: 2026年8月14日(金)19:00(事前申込み制)
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申込はこちら: https://bit.ly/4umgUtP
迅速検査の導入、外来効率化、タスクシフト、クリニックDX、チーム医療に関心のある医師、看護師、医療事務、クリニックマネージャーの皆様にとって、日々の診療を見直すきっかけとなることが期待されます。
講演者
菊池 真大(きくち まさひろ)
用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック院長 / 医学博士
日本消化器病学会専門医、日本肝臓学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医。1999年に慶應義塾大学を卒業後、米国ペンシルベニア大学消化器内科への留学を経て、国内の基幹病院で診療経験を重ね、2024年10月に「用賀きくち内科 肝臓・内視鏡クリニック」を開業。肝臓専門医、内視鏡専門医、総合内科専門医として診療を行うとともに、日本医師会認定健康スポーツ医、そして2026年3月には健康運動指導士の資格を取得。生活習慣病や未病の予防に対し、医学的根拠に基づいた運動療法を提案しています。