最新医療

介護現場の記録業務をAIが変革:現役ケアマネジャーが実践報告会で語る成果

介護現場のDXを推進する「第2回AI分科会実践報告会」

少子高齢化が進む日本において、介護業界は2040年に向けた人材不足という大きな課題に直面しています。この状況下で、限られた人員でケアの質を維持・向上させるためのAI活用への関心が急速に高まっています。

特定非営利活動法人日本介護経営学会AI分科会は、株式会社ウェルモ、おはなリハ ケアマネステーションと共同で、2026年8月1日(土)に「第2回AI分科会実践報告会」を開催します。本報告会では、介護現場でのAI実装による具体的な成果と課題が、実証データと共に検証されます。

AI分科会第2回実践報告会

現役ケアマネジャーが語るAI活用のリアル

茨城県つくば市で居宅介護支援事業所「おはなリハ ケアマネステーション」を運営する巻 裕子氏は、理学療法士・主任介護支援専門員としての豊富なキャリアを持つケアマネジャーです。同事業所では、ウェルモが提供する介護特化型AIサービス「ミルモシリーズ」を導入し、日々の業務に大きな変化をもたらしました。

かつては紙書類やFAX、郵送、メールが混在するアナログな業務環境の中、ケアマネジャー自身が事務作業のすべてを担い、利用者やその家族との対話に十分な時間を割けないという課題がありました。そこで、音声記録AI要約サービス「ミルモレコーダー」を導入し、対話に集中しながら記録を作成できる体制を整備。さらに、AIを活用したパソコン作業自動化サービス「ミルモオートメーション」による記録・議事録作成の自動化へと、段階的にDX(デジタルトランスフォーメーション:デジタル技術を活用して業務や組織を変革すること)を進めてきました。

巻氏は、「以前は記録や事務作業に追われ、利用者様との対話の時間が十分に取れないことが長年の悩みでした。ミルモレコーダーやミルモオートメーションを取り入れてからは、対話に集中しながら記録が仕上がるようになり、生まれた時間を利用者様との対話やスタッフの育成にあてられるようになりました。子育て中の職員も常勤で働き続けられるようになり、仕事も家庭も諦めずに専門性を発揮できる職場づくりにつながっています」とコメントしています。

「ミルモシリーズ」が支える介護現場のDX/AX

株式会社ウェルモは、「人ありき」のテクノロジーで、一人ひとりが輝く社会を実現することをパーパスに掲げ、介護業務支援システム「ミルモシリーズ」を展開しています。ウェルモの代表取締役会長兼社長である鹿野佑介氏は、「介護におけるAI活用は人間を代替するものではなく、能力を拡張するもの=拡張知能(Augmented Intelligence)である」という信念のもと、AIにより意思決定を支え、記録や帳票作成にかかる時間を短縮し、専門職が利用者と向き合う時間を確保することを目指し、現場とともにサービスを開発してきました。

「ミルモシリーズ」は全国26,100事業所に導入実績があり、在宅介護の地域資源情報プラットフォーム「ミルモネット」のコミュニティを中心に、年間4,000~5,000事業所の全国の介護現場においてAIを活用したDX/AX(AIトランスフォーメーション:AI技術を活用して業務や組織を変革すること)を推進しています。直近では、2025年6月に兵庫県豊岡市と「介護認定調査におけるAI活用によるDX推進に関する協定」を締結するなど、自治体との協働も広がっています。

AIがもたらした具体的な変化(おはなリハ ケアマネステーションの実績)

おはなリハ ケアマネステーションでは、AI導入により以下のような変化が報告されています(2024年12月と2025年12月の比較)。

  • 記録入力時間(1件あたり): 手入力で平均45分 → ミルモレコーダー(音声入力)導入で平均15分 → ミルモオートメーション(RPA:ロボットによる業務自動化)導入後、平均5分に短縮

  • 支援経過・議事録の作成時間(職員1人あたり): 月20時間 → 月5時間(約75%削減)

  • 年間離職率: 30% → 0%

  • 子育て中の職員の継続就業率: 50% → 100%

  • 採用応募者数: 年間4~5名から15名以上に増加

  • 2026年8月1日には3事業所目を開設予定

これらの変化が、つくば市の現場でどのように実現されたのか。8月1日の報告会では、巻氏本人が登壇し、日々の業務の中でのAI活用の様子や、経営・現場双方への効果について、具体的なエピソードとともに語る予定です。

「第2回AI分科会実践報告会」開催概要

介護・医療の未来を拓くAI活用について深く学ぶことができる「第2回AI分科会実践報告会」の詳細は以下の通りです。

  • 名称: 日本介護経営学会AI分科会 第2回実践報告会

  • テーマ: AIが拓く介護・医療の未来 ―政策・実装・現場をつなぐ―

  • 日時: 2026年8月1日(土) 9:30~13:25(受付開始 9:00)

  • 会場: ARCO TOWER(アルコタワー)19階(東京都目黒区下目黒1-8-1、JR山手線 目黒駅 西口より徒歩5分)

    • オンライン(Zoom)とのハイブリッド開催
  • 主催: 日本介護経営学会 AI分科会

  • 登壇: 巻 裕子 氏(おはなリハ ケアマネステーション)ほか

  • 参加費: 学会員 2,000円/一般 3,000円(いずれも税込)

  • 申込締切:

    • 会場参加:2026年7月29日(水)

    • ウェブ参加:2026年7月30日(木)

主なプログラム

  • 基調講演: 林 俊宏 氏(厚生労働省 大臣官房審議官)「2040年の介護のあり方について」

  • 特別講演: 片山 洋平 氏(アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社 パブリックセクター技術統括本部 ソリューションアーキテクト)「介護・医療領域のクラウド・AI最新動向」

  • 政策プレゼンテーション(厚生労働省・三菱総合研究所)

  • 実践報告会(1)(介護事業者)〔座長:鹿野 佑介 氏(株式会社ウェルモ 代表取締役会長兼社長)〕

  • 実践報告会(2)・(3)(サービス事業者)〔座長:栄藤 稔 氏(大阪大学 先導的学際研究機構 教授)〕

  • パネルディスカッション〔モデレーター:宇田 淳 氏(AI分科会長)〕

    • スケジュール・登壇者は変更となる場合があります。

申込方法

関連団体

介護現場におけるAI活用の最新情報や具体的な事例に関心のある方は、ぜひ本報告会への参加をご検討ください。詳しくは各公式サイトをご確認いただくか、お問い合わせください。

関連ノート