# せん妄の疫学と市場動向：2026年以降の予測と管理の課題

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- カテゴリ: こころの健康
- 公開日: 2026-08-29
- 更新日: 2026-08-29

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## せん妄とは

せん妄（Delirium）は、注意、意識、認知機能の急激かつ変動性の障害を特徴とする急性神経精神症候群です。症状は短期間で出現し、1日の中でも状態が大きく変化することがあります。特に入院患者や高齢者に多く見られ、感染症、手術、基礎疾患の悪化、薬剤の影響など複数の要因が関与すると考えられています。

せん妄には、興奮や不穏が目立つ過活動型、反応低下や傾眠が中心となる低活動型、そして両者が混在する混合型があります。特に低活動型は症状が目立ちにくいため、見過ごされる可能性が指摘されています。

## 世界のせん妄の疫学動向

株式会社マーケットリサーチセンターは、せん妄の疫学動向に関する調査レポートを発表しました。この調査は2025年を基準年とし、2019年から2025年を過去分析期間、2026年から2035年を予測期間として、米国、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、英国、日本、インドの8主要市場を対象に、有病率、発症率、年齢、性別、病型、診断患者数などの疫学動向を分析しています。

### 高齢者や重症患者における高い有病率

せん妄は、高齢者や重症患者において特に高い頻度で確認されています。

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2023年の報告によると、高齢者では待機手術後に約15～25％がせん妄を発症するとされています。

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2025年のメタ解析では、18万人を超えるICU（集中治療室）患者を対象とした結果、せん妄の統合有病率は35.7％、発症率は28.8％と報告されており、ICU患者のおよそ3人に1人がせん妄を経験する可能性があることが示されています。

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2024年の報告では、術後ICU患者におけるせん妄有病率は約47.7％とされ、ほぼ2人に1人に相当します。

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65歳以上の入院高齢者では有病率が最大50％に達する可能性も指摘されており、年齢が最も強いリスク因子の一つであると考えられています。

### 国別の状況

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米国では、入院患者におけるせん妄有病率が約16～18％とされ、高齢者に限ると約23.6％に上昇します。

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英国の一般病院における有病率は約14～15％と報告されています。

これらのデータは、せん妄が特定の疾患に限定された合併症ではなく、特に高齢者医療や重症医療において日常的に遭遇する問題であることを示唆しています。

## せん妄の管理と治療の課題

### 過少診断の問題

せん妄の市場・疫学上の大きな課題の一つは、過少診断です。特に低活動型せん妄は、患者がおとなしく見えるため、うつ状態、疲労、認知症などと誤認されることがあります。また、症状が変動するため、診察時に一時的に正常に見えることもあり、継続的な観察がなければ見過ごされやすい傾向があります。標準化されたスクリーニングや評価ツールの導入が、診断率向上に重要であるとされています。

### 治療の基本

せん妄の治療は、原因を速やかに特定し修正することが基本です。感染症、脱水、低酸素、電解質異常、疼痛、便秘、尿閉、薬剤副作用など、発症に関与する可逆的要因を評価し、可能な限り是正することが中心となります。

非薬物療法はせん妄管理の基盤とされており、具体的には以下の点が挙げられます。

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患者に見当識支援（時間や場所を繰り返し伝える）を行うこと

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昼夜リズムを整える睡眠管理

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早期離床と身体活動の促進

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水分・栄養状態の維持

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眼鏡や補聴器の使用による感覚入力の維持

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家族や医療スタッフによる安心できる環境づくり

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頻繁な病室変更や夜間の騒音、過剰な拘束を避けるなど、環境刺激の適切な調整

薬物療法は、原則として重度の興奮や苦痛があり、患者自身や周囲の安全が脅かされる場合に限定して使用されます。また、せん妄を誘発または悪化させる可能性のある薬剤（特に鎮静薬や抗コリン作用を持つ薬剤）は避けることが非常に重要です。

## 今後の展望と課題

2026年から2035年の疫学・市場動向を考える上で、人口高齢化、入院患者数、手術件数、ICU利用、高齢者のフレイル（虚弱）や多疾患併存の増加などが、せん妄の疾患負担を押し上げる主要因になると考えられます。一方で、標準化されたスクリーニングの導入によって、これまで見過ごされていた低活動型を含む患者が診断されるようになり、診断患者数が増える可能性もあります。

今後のせん妄対策における中心的課題は、高齢者やICU患者などのハイリスク集団を早期に特定し、定期的かつ標準化された評価を行うこと、そして感染・薬剤・脱水などの可逆的原因を迅速に是正することにあります。さらに、見当識支援、睡眠、離床、水分管理などを含む多職種・多要素の非薬物的介入を徹底することが重要であるとまとめられています。高齢化が進む医療システムでは、せん妄を「発症後に対応する合併症」ではなく、「予防と早期発見の対象となる重要な医療安全・予後改善課題」として扱うことが、今後の主要な臨床テーマになると指摘されています。

詳しくは医療機関や専門家にご相談ください。

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